やっぱりフッ素②

やっぱりフッ素②

はつおい歯科室 べいちょうです。

先日も同じタイトルで書きました。
昨日は歯科医師会のセミナーを拝聴しまして。そこで重要なのがやっぱりフッ素でした。

プラークチャートという、みがき残しのグラフは衛生士のアポイントでお渡ししていますね。
みがき残しが0%で100%みがけている人、いないんじゃないでしょうか?
そう。みがき残しは必ずあるんです!そして、みがき残す場所はたいてい同じじゃないですか?
つまり、頑張ってもずーっとみがけていない場所はあるんです!

そこで大切なのがフッ素です。
フッ素は歯の表層に取り込まれて硬い構造(フルオロアパタイト)を形成する事が知られています。
歯は通常、ハイドロキシアパタイトという構造をもっています。特に歯の表面(エナメル質)は歯の内面(象牙質)に比べてむし歯(酸)に強い構造を持っています。その構造を更に強くするのがフッ素を取り込んだフルオロアパタイトです。

フッ素が低濃度で口腔内に留まっている事が重要と言われていて、その一つが高濃度フッ素配合の歯磨き粉を使って、使った後は口をゆすがない事。もう一つがフッ素洗口です。

フッ素が体に悪い・怖いという方がいますが、海外では水道水にフッ素が含まれていたり、塩や粉ミルクにフッ素入りのものが有ったりします。これは、口の中でフッ素を使うフッ素応用とはちがって、フロリデーションと言われる、フッ素を体内に取り込んで歯の形成段階からフッ素を影響させようという方法です。この場合はフッ素を飲み込んでいますから、継続的にフッ素を取り込み続ける事になって悪い影響が出た事が有ります。体に影響するフッ素の量は研究で分かって来ていて、(歯磨き粉のチューブを一本まるまる飲み込んでも影響が出ない様な量らしいです。)海外に比べて日本の歯磨き粉のフッ素濃度はかなり低いです。これは海外の人の方が歯、特にむし歯へのリスクを気にする(治療費がかなり高額・口元の見た目がとても重要など)文化的な違いかと思います。

さて、私は歯磨きの後は口をゆすぎません。ペッと吐き出しはしますよ。
例えばスキンケア商品を使った後に体をよく洗う人、もったいなくないですか?
歯磨き粉にはそれぞれ成分が入っていて、歯周病と歯周病予防に効果がある成分、むし歯予防に効果がある成分、歯ぐきの回復に効果のある成分や細菌抑制に効果がある成分、たくさんの効果があります。ゆすぐと、流れて行ってしまいます。
昔の歯磨き粉は泡立ちがよかった気がしませんか?最近はジェルタイプが多いですが、これも歯磨き粉をブラッシング後に残すための工夫です。それを一生懸命にゆすいで洗い流している方、かなり多いのではないでしょうか。残ったジェルがじわじわと成分を放出してくれて知らない間に効果を発揮してくれているんですね。

もう一つ、フッ素洗口は超重要です。特にお子さんと高齢の方に重要です。お子さんの場合、歯の交換期(5歳から13歳くらい)が特に重要で、歯が出始めた時からフッ素を使う事でより吸収が高まります。特にお子さんも高齢の方も、歯磨きは残念ながら十分に出来る方は少ないです。舌ベロが邪魔だったり歯並びの問題もあって歯ブラシの届かない部分は必ずあります。うがいであれば液は全体へ行き渡ります。また、フッ素はプラークにも取り込まれてフッ素の濃度維持にも役立つそうです。

残念ながら、歯みがきよりもフッ素利用の方が効果が高いのでは、と言われる程フッ素なんです。日本人はむし歯が多いですが、フッ素の利用者や利用濃度は低いと言われています。むし歯格差は広がるばかりですね。皆様、フッ素に清き一票を!というくらいフッ素です。

成人であっても100%は磨けないもの。それが子どもや高齢者であればなおの事むつかしいですよね。それを補ってくれるのがフッ素です。やっぱりフッ素、なんです。10代の多感な時期、20~30代の忙しい時期は歯ブラシも疎かになりがちです。そんな時に、子どもの頃からフッ素をしている人としていない人に差が出るという研究を講習会のたびに目にします。自分へのプレゼント、子どもへのプレゼント、親世代へのプレゼントと思って、フッ素を何としても使っていただきたいです。

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