AIは凄いねと言われた時、私の心が置き去りに

AIは凄いねと言われた時、私の心が置き去りに

はつおい歯科室 べいちょうです。

私は本来、色々な人に協力できる事が嬉しい人間です。 頼まれごとをされると、「よし、一肌脱ごうか!」と応えたくなる。 自分で言うのもなんですが、基本的には「イエスマン」で居たいし、周囲にとって「便利な人」で居たいと思っているのです。

ただ、どうしても我慢ができない瞬間があります。
自分の費やした時間を**「蔑ろ(ないがしろ)」**にされたと感じた時です。

別に、感謝をしてひれ伏してほしいわけではありません。
凄まじく褒めてほしいとか、承認欲求を満たしたいとか、そういう事とも少し違うのです。

先日、ある作成物のお仕事を頼まれました。 「期限は今日明日中に」という、なかなかの急案件です。

私はそういう作業自体は嫌いではないので、引き受けました。 診療の合間や、昼休みの時間をすべて費やして。 後から判明した追加の要望や制限にも対応して。 なんとか期限に間に合うように、7つの案を作って提出しました。

我ながら、「短時間にしては良いコピーとデザインができたな」と手応えを感じていました。

それを渡した時、こんな言葉が聞こえてきました。

「へぇー、AIはすごいねぇ」 「これもAIでやったの?」

……いや、私が手間暇かけて作ったんですけどね(苦笑)。

もちろん、相手に悪気はないのでしょう。 今の時代、AIを使えばきれいな画像や文章が作れるのは事実です。 「(AIみたいに速くて正確で)すごいね」という、最上級の褒め言葉のつもりだったのかもしれません。

でも、その言葉を聞いた瞬間、私の中でやる気は吹き飛んでしまいました。

「すごいのはAIであって、あなた(私の努力)ではない」 そう言われたような気がしたのです。

その後、週末に「週明けには発送するので、ここを編集お願いします」と軽い連絡が来ました。ちょっともうやめてやろうかと思いました(笑)
業者に頼めば何万円もかかり、期間も数週間は必要な作業です。 「はいよ」と引き受けたい気持ちもありますし、慣れているので人より早くできるのも事実ですが……。

またあの反応が返ってくると思うと、正直、やる気が迷子になります(笑)。

これがもし、ビジネスとして金銭が発生していれば、また違うのかもしれません。 「まぁ、対価は貰ったし」と割り切れる。 プロのクリエイターではないですから、そこにブランドもプライドもありません。

しかし、この胸に残る感情はどう説明すればよいのでしょう。 頑張ったのになぁ、という…… 切なさ? 寂しさ? 悔しさ?

もしかしたら、**「プロセス(過程)が見えていないことへの虚しさ」**なのかもしれません。

私たちは、完成された「結果」だけを見てしまいがちです。 きれいな歯が入った時、「すごい機械ですね」と言われたら、歯科医師として少し寂しいのと似ているかもしれません。 そこに至るまでの、削る技術、型取りの苦労、技工士さんの職人芸……。 それら全ての「人間臭い泥臭さ」が、「AI」や「機械」という言葉一つでブラックボックスに隠されてしまう。

もしかしたら、私も知らず知らずのうちに、誰かに対して同じことをしてしまっているのかもしれません。 コンビニのお弁当も、宅配の荷物も、魔法のようにそこに現れたわけではなく、誰かの汗と時間が運んでくれたもの。

そう思うと、今回の件は「自分の振る舞いを見直すいい機会」だったと思うことにします。

でもやっぱり、人間だもの。 「AIすごい」より、「先生、忙しいのにありがとう」の一言の方が、次はもっと良いものを作ろうと思えるんですけどね。

そんな事に腹を立てる私は、まだまだ修行が足りないようです。

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