飛ばないベタは変なベタ

飛ばないベタは変なベタ

はつおい歯科室 べいちょうです。

当院には、「ベタ」というお魚がおります。

肺呼吸もできて水質の変化にも強い、比較的飼育しやすいお魚だそうです。 小さな水槽(ガラス瓶など)でも飼育できて、色鮮やかで長いヒレが美しいのが大きな魅力です。

私は元々、水槽代わりにする容器を決めていました。 それは、母の持ち物だった「透明な植木鉢」です。使うあてもなく、かと言って捨てるわけにもいかない……ということで、我が家の立派な水槽になりました。 これが、とにかく大きいのです。

どうやらベタは3〜5リットル程度の水でも育てられるそうですが、我が家の「ベータくん」は、20リットル以上もある広々とした水槽に住んでいます。

ベタはとても闘争心が強いお魚です。他の生き物が近くにいると、同種でも異種でも闘うため、「闘魚」とも呼ばれているそうです。ですので、そんな大きい水槽に一人で暮らしています。

患者さんの中にもベタを飼育している方が意外と多く、「あ、ベタだねぇ」なんて声をかけてくださいます。 そして、多くの方から**「ちゃんと蓋をしないと、飛び跳ねちゃうよ!」**とアドバイスをいただきます。

しかし、なぜだか私のベータくんは、一向に飛び跳ねる気配がありません。 私が単に見たことが無いだけなのかもしれませんが。

「変なベタだねぇ」

ある日そう言われて、なぜか喜んでしまう私(笑)。 ということで、「飛ばないベタは変なベタ」なのですが……このベータくんの話から、ふと有名な**「ノミの実験」**が頭に浮かびました。

ノミは、自分の体長の何十倍も高く飛び上がる習性を持つ生き物です。 しかし、そのノミを容器に入れ、飛び上がるとぶつかる高さに「ガラスの蓋」を用意してやります。するとノミは、頭をぶつけないように、蓋の高さに合わせて上手に(低く)飛ぶようになるそうです。

その後、ガラスの蓋を外してやります。 するとどうなるか。そのノミたちは、まるで飛び方を忘れたように、あるいは「そこに見えない蓋があるかのように」、自分で勝手に限界を決めて、それ以上高くは飛ばなくなってしまうのだそうです。

しかし、もう二度と高く飛べなくなったかと言うと、そうではありません。 そこに**「本来の高さまで飛べる、新しいノミ」**を一匹入れてやると、周りのノミたちも「あ、蓋は無いんだ!」と気が付くのか、再び高く飛び上がるようになるのだそうです。

人間である私たちにも、自分で勝手に決めた「見えない蓋」がたくさんありますね。 「どうせ自分には無理だ」「これが限界だ」と。 確かに、蓋があると思い込んでいる方が、傷つかなくて済むし、“楽”という事もあるのかもしれません。

「限界はない!」と常に挑戦し続ける事は、心身ともに大きな負担になります。 しかし、あたかもそれが限界であるかの様に、見えない壁に怯えて振る舞う事も、私にとっては大きな負担に感じます。

だからこそ、色々な場所に出入りして、「蓋の存在を知らない人(高く飛んでいる人)」を見つける。 そして、彼らと同じように飛ぼうと頑張ってみる。

それで怪我をする事もあるし、逆にもっと高く飛べるようになることもあります。 見えない壁を避けて、縮こまって暮らすのは、私にはよっぽど苦しいなぁと。 そんな風に思うのです。

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