はつおい歯科室 べいちょうです。
浜松歯科衛生士専門学校は、浜松市歯科医師会が運営する歯科衛生士養成校です。
私もその学校部に席を置いており、学生さんと関わる機会が多くあります。
学校の先生方が手を変え品を変えながら学生に向き合い、歯科医師会の先生方が診療後や休日に学校へ足を運んで奮闘される姿には、いつも頭が下がります。
そして、その期待を背負って頑張る学生さんたち──浜松市の未来を支える存在です。
国家試験の季節と、その難しさ
歯科衛生士は国家資格。年に一度、2月末から3月初旬にかけて国家試験が行われます。
この試験、なかなか手ごわい。私も過去問を解いてみたのですが、悩む問題ばかりで……正答できない問題も多く、冷や汗をかきました。
それほどに、努力と覚悟が必要な試験です。
私自身の試験経験
私も学生時代、数えきれないほどの試験を受けてきました。
4年制大学を経て歯学部に進みましたので、人よりも試験の数は多かったと思います。
前半の人生は試験が大の苦手。中高時代は“身が入らない”典型的な落第生でした。
ですが後半、歯学部に入る頃には「歯科医師になる!」という明確な目的がありました。
目の前の試験よりも、その“先”を見ていたからこそ、努力が苦ではなくなっていたのだと思います。
学生さんたちへ伝えたいこと
この時期、歯科衛生士学校の学生さんたちも「受験モード」に入ります。
ここで大切なのは“覚悟”です。
「合格しなくちゃ」ではなく、「歯科衛生士になった私になるために」という視点。
空手の瓦割りも同じです。
瓦そのものを割ろうとすると痛い思いをしますが、その“向こう側”を突き抜ける意識で動くと、きれいに割れる。
国家試験も同じ。“試験を突破する”のではなく、“その先の自分を作る”意識で挑むことが大切です。
社会に出てからも続く“試験”
社会人になると、誰かが出してくれる課題は少なくなります。
だからこそ、自分で課題を見つけ、挑み続ける人が成長します。
ある医院で助手さんがこう話してくれました。
「院長のお気に入りになれるよう頑張ってるんですけど、なかなかお気に入りにしてくれないんです(笑)」
一見軽い冗談のようですが、その裏には“自分を磨こうとする努力”がありました。
自分に課題を出し続ける姿勢、その健気さと強さに感動しました。
歯科医師として、そして大人として
私自身、「歯科医師になってから何を目指すか」を常に考えてきました。
そして今、私は「スタッフ第一」でいたいと思っています。
スタッフが楽しく働ける環境を作り、成長できる場を用意する。
そのために自分が学び続け、技術も知識も磨き続ける。
結局それが、患者さんのためになる道でもあります。
試験と聞くと、なんだか「うっ」となりますよね。
でも本来はありがたいものです。将来経験するであろう事を先生が試してくれるのが試験です。試験だから間違える事も備える事も出来るけど、本番の人生では、備えられない事が殆どです。その時に怪我をしない様に、試験をしてくれていて、「ありがとう」なのです。
とはいえ、そんな気持ちにはなれませんけどね。
出される試験よりも自分に出す試験を多くしていきたいな。と言うのが、社会人としての私の方針なのかもしれません。


