保護中: 経営資料②

このページでは経営にまつわる用語と考え方、はつおい歯科室の状況と世間の状況を紹介しています。 ①売り上げ受付で頂戴した金額が売上です。保険診療の場合には窓口負担率に基づいて０～３割の負担が決められています。残りは２か月後に振り込まれています。保険の窓口負担の他、自費・物販など、患者さんが支払った金額が売上です。保険の場合は保険点数×10円が保険売上です。例えば歯科衛生士さんのTBIは歯科衛生士実地指導料80点という点数なので、800円です。このうち、１割負担であれば80点×１円＝80円が自己負担、３割負担であれば80点×３円＝240円が自己負担、という計算です。 ②原価物販は仕入れて販売します。治療も、材料が必要だったり、技工所に支払う技工料も原価に含まれます。その他、薬品や洗剤・トイレットペーパーなどを含め、営業に際して消費するものを指します。来院される数や治療の数に応じて原価は増減するので、「変動費」とも言います。原価は変動費ですので、売上が上がると原価も上がりますが、これを抑えるのがコストカットです。歯科の場合は金属代や技工料がその多くを占めています。治療に比例して増加してしまいます。一方歯科衛生士さんは材料代がブラシと歯磨剤くらいでスケーラーが消耗品ですね。バリオスなどのハンドピースも消耗品ですが数年単位での使用で65,000円ですから、高くはありません。原価率を抑える事がどんな経営でも求められますが、歯科の場合は歯科衛生士の治療率をいかに上げられるかが原価率を下げるポイントです。 ③粗利益（売上）ー（原価）＝（粗利益）という計算で求められます。（粗利とも言います）よく言われる指標として「給与の３倍の粗利を稼ぎなさい」と言われます。歯科医院の場合は売上を出せる歯科医師・歯科衛生士と、売上を補助する受付・歯科助手・事務が存在します。「給与の３倍の粗利を稼ぎなさい」と言われる「給与」は自分だけでなく全体の話ですので、人件費の３倍の粗利を稼ぎましょう。という事になります。これはゴールではなくスタートですので、これ以上を稼ぐとボーナスにつながるイメージです。 ④原価率売上に対して原価がいくらか、（原価）÷（売上）＝（原価率）です。歯科の原価率は７～９％が望ましいとされています。材料代や物品代ですので、節約しようね、という事です。原価率が上がれば利益が下がります。利益が下がれば賞与が減ります。利益がなければ賞与もありません。 ⑤固定費家賃や水道光熱費、システム利用料や借金の返済、外注費、そして人件費が固定費です。月々かかる固定の費用で、これに対比して原価が変動費と言われます。固定費を下げる事が基本中の基本です。リストラが行われるのも固定費(人件費・福利費)を下げるためです。 ⑥利益（売上）ー（原価）ー（固定費）＝（利益）という式で求められます。※経常利益と営業利益利益がなければ赤字、利益があれば黒字です。賞与は利益から皆さんに分配されるもので、残念ながら頑張ったから支給されるものではありません。会社では「決算」と言って、年に一回の清算があります。月々の利益や損金を通算して国へ報告します。利益には税金がかかるので、あまり大きい場合は利益を圧縮します。私の考えでは、利益分はみなさんに還元してしまってどんどん分けよう。というイメージです。医院にため込む事も不景気に備えた考えではありますが、それで利益が出ない医院であれば潰した方が良いですので、みなさんにはそんな事を気にせず、売り上げた分を後で皆で山分けだ！くらいに思っていただきたい気持ちです。 ⑦損益分岐点損金（赤字）が出るか利益（黒字）が出るかの境目を損益分岐点と言います。はつおい歯科室ではこれが490万円くらいです。(令和７年７月現在) 実際にはつおい歯科室に当てはめてみましょう。損益分岐点が４９０万円、つまり売上４９０万円の時に利益は０円と言うことです、原価率を９％と計算して４４．１万円ですから （売上４９０万円）−（原価４４．１万円）−（固定費）＝（利益０円） つまり固定費は４５０万円もするということです。高いと思われるかもしれませんが、これは安いです。 ・家が米長の持ち物私（個人）が私（理事長）に貸している、という形で１２．５万円の家賃を払っています。同じ規模（ユニット３台）の家賃相場は４０〜７０万円だそうなので、破格です。・同じ理由で借金が少ないので返済が少ない歯科医院の開業には最低一億、普通で二億必要と言われています。はつおい歯科室は八千万円を静岡銀行からお借りしていますが、他の医院に比較すると安く、月々の返済もその分安くなっています。今回の工事で借金１億円になりました。月々の返済額が上がるので損益分岐点は上がります。１５年で借りていて、返済し終えると返済+利息の分がさらに利益に乗りますので、返済が楽しみですね。・広告０円で新患に困っていない歯科の広告宣伝費は売上の3-5％に抑えなさい、と言われています。はつおい歯科室の宣伝広告費は０％です。寧ろ新患をお断りするべきか、という状況。通常は新患の獲得に一人頭１万円以下に抑えようと努力している業界で、月々30人以上の方に来ていただいていることを考えると、５０万円以上の節約が出来ている計算です。その分HP操作など、裏にいる事が多いのはお許しいただきたいところです。良い口コミの獲得Instagramの更新など、引き続きご協力ください。→浜松科学館のサポーターになりましたので、年間１１万円がかかるようになりました。費用対効果としては無に近いものの月々１万円ですから、ご容赦ください。・SEOMEOにお金をかけていない検索での表示されやすさ、の事をSEO・MEOと言います。通常、ホームページの管理会社がコンサルと称して月々数万円+成果報酬数万円+新患人数×数千円を取られます。私の勤務していた医院は毎月50万円超払ってました（笑）はつおい歯科室は米長がホームページとグーグルマップを管理していますので０円です！ちなみに、開業時にコンサルさせてと営業いただいたホームページ制作会社に頼んでいた場合、月々の管理料３０万円成果報酬が１５万円新患50人として一人頭五千円（だったと思う）なので７０万円も取られていた可能性が。恐ろしいですね。でも、比較的真っ当な業者です。・コンサル会社を入れていないホームページやウェブのコンサル、経営のコンサル、人材育成コンサルなど、複数のコンサル会社を導入するのが一般的です。はつおい歯科室はコンサル会社拒否の姿勢です（笑）その分、米長が他の医院で働いたり研修を受けたり色々していて法人・医院から出費はないです。関連コンサル会社が増えると従業員の労力が増えるのが常ですので、陰ながら皆さんの余裕にも繋がると思っています。・はつおい歯科室が法人経営であるはつおい歯科室は医療法人社団祐志会という法人として医院を運営しています。法人とは法的には人格として扱う組織で、米長は理事（理事長）ですが医療法人社団祐志会は私とは別の法的人格を有する存在です。ちょっと意味がわからないかと思いますが、これが個人事業主（法人でない事業）の場合、会社の口座は社長の口座で、程度はあれど自由に使えます。法人で理事が貰うのは役員報酬です。気軽に増減できない（定款の変更手続きが必要でお金もかかる）ですし、理由なく引き出すこともできません（引き出すには米長個人と米長理事長との間で金銭貸借契約が必要です）。米長にはボーナスも出ませんので、すべて皆さんに還元します。・米長があんまりお金が必要じゃないひとつ余計な事を書きますが、私自身があんまりお金に困っていません。私は車にも服にも装飾品にもお金をかけてません。唯一お金がかかるのがお酒代と食事代という残念な人間ですが、色々と運用する程度にお金を持っていて稼ぎたい欲があまりありませんし、別の医院で働くと日給数万円ですから、自分の法人から取る必要があまりありません。 そんな理由から、はつおい歯科室の固定費は他の医院に比べて圧倒的に安いです。加えて、材料や機材も貰い物ばかりで現状では変動費も安いです。一方で、歯科医院（法人）の人件費率は２８％が基準だそうですが、はつおい歯科室の人件費率は５０％近いです。人の割に稼げていない、という事でもあります。 稼がなくてはいけない理由２０２５年問題の当年になり半年たちました。団塊の世代が退職していき、一時的に金回りが良くなるかと思いますが、政治の混乱がこの先少なくとも１０年は続いて税金と社会保険料は上がり続ける予定です。つまり、手取りが減って貧乏になります。貧乏になれば、転がり落ちるのは速いです。簡単に言えば年収を上げましょう。というお話です。年収が上がって手取りが下がるのが現代です。自分の努力以外は何も信じないくらいのつもりで私はいます。周囲が貧乏になれば歯科医院の収入も減ります。お金が回らなくなるからです。でも、誠実に真剣にやっていれば収入になるのが保険医療です。患者さんさえ来てくだされば、皆さんの収入は確実に上がります。もし、売り上げが減ると、機器はどんどん古くなって、故障しても直せません。みなさんに支払う給与すらなくなるかもしれません。（脱毛サロンの大手や学習塾大手も、突然破産して数か月分の給料未払いという事が現実に起きています。会社が年金を払っていなくて年金が貰えないような方もいらっしゃいます。貧乏になるというのは本当に恐ろしい事です。）なので、はつおい歯科室では利益が出たらしっかり還元すると皆さんにお約束しています。収入が増えれば税金が増えますが、それが少しでも人の役に立つとしたら嬉しいことだと思いませんか？仕事でも人を助けられて、税金でも間接的に人の為になれます。医院の収入が増えれば機材も充実して更に患者さんの為になります。仕事をする以上、価値を作り出さなくてはいけません。社会に必要とされないと、そもそも仕事ができません。人と地域に必要とされるような努力と期待を超えられる知識技術がないと、継続して利益を出すことは難しいですね。 稼いでも使ってはいけない理由貯金０円世帯が全体の３割と言われています。しかも毎年増加中です。少子化によって生産も消費も減りますので、確実に景気は悪くなります。なので皆さんに投資信託をお勧めしています。iDeCoとNISAですね。やらない人は損をする。とそれだけなのでするしないは自由でありますが、生々しく私の投資の話をすると、投資信託で+100万円、米国ETFで+20万円、iDeCoで+30万円、孝啓のJr.NISAで+60万円増えています。米国ETFは配当金があるので毎年数千円程度の米ドルを受け取っています。私が始めたのが2020年からちょこちょことですので、約５年で200万円増えた事になります。注意があるとすれば、現金化していないので架空のお金である事、投資に回している分だけいま使えるお金が減る事です。NISA：投資による所得は２割が課税対象ですが、NISAの範囲では無税です。200万円も普通であれば40万円税金で取られますがNISAなので非課税です。iDeCo：投資した分が所得税控除になります。ただ、こちらは60歳になるまで引き出せないので入れる分は十分に考えてから決めましょう。自己破産しても引き出せないのがiDeCoです。使いたくても使えない可能性があるので気をつけましょう。米国ETF：成長投資枠で買えるので、新NISAで非課税です。キャピタルゲインとインカムゲイン両方を取りたい人向けです。今後、税金も社会保険料も、飲食代も水道代ガス代電気代も、必要な物から順に上がっていきます。「備えよ」ってやつですね。 そして投資をしましょう金銭的な投資も必要ですが、自己投資がそれよりも大切です。上に書いたように、投資をすると可処分所得（使えるお金）が減ります。どうすれば良いかと言えば、もっと稼ぐ必要があります。得たお金を、自己投資に回す、金融資産を持つ、残った少しで贅沢する。そんな事が必要だと思います。例えば私のお話ですが、休診日には他の医院で働いたり研修やセミナーを受けたり、歯科医師会で手伝いをしたり、もちろん趣味もあるし家族で出かける事もありますが、基本的に休みの日と言うのがありません。旅行も殆どいかないですし、旅行先でオンラインセミナーを聞く事も珍しくありません。私はそれが必要な事だと思っている人です。凄い事とか、珍しい事ではなくて、生き残るための最低限の努力くらいに思っています。欲を言えば皆さんも、月に１度はセミナーを受けるなど、してみてください。必要な費用は負担しますので。 投資界隈で有名なジャックとジルの小話ジャックとジルという姉弟がいました。弟のジャックは18歳から25歳までの８年間、年間50万円（400万円）の投資をしました。姉のジルは26歳から65歳の４０年間、年間50万円（2000万円）の投資をしました。2人が65歳の時、金融資産をより多く持っていたのはどちらでしょうか。 計算を皆さんに使っていただいている表に入れてみました。ジルちゃんの場合 ジャックくんの場合結果はジルちゃんが2億2千万円、ジャックくん2億5千万円でした。８年間の投資が、４０年間の投資を上回りました。 これは複利の効果を説明するために使われるお話です。少しからくりがあるのは、年間利回り10％と高めに計算されています。みなさんに見ていただいているシートでは7％の設定です。その場合、最終的な差はジルの方が少し多いです。ただそれくらい、「早い段階で投資を始める事」「長い期間保有する事」が投資（投資信託）にとって大切だ、という事です。上の表計算でいうと、ジャックが25歳の時点で500万円である時点で、毎年50万円以上の利息が付くので姉の50万円の投資以上の複利を出せている、という事です。逆に姉が25歳時点で600万円入れていれば姉の方が最終的には大きな金額を持っている事になりますが、投資金額はジャックの400万円にくらべて大きくなります。それくらい時間の力は大切ですよ、というお話ですね。条件は積立投資を行う事です。スポットだと高値掴みや為替リスクを回避できません。分散してコツコツ積み立てる事でリスクを回避しながら積み立てる事が重要です。投資への偏見で、トレードで儲けたとか価値がなくなったとかありますが、それは株式で、投資信託とは全く別です。株式はあまりお勧めできません。リスクが高いので。そういった数日～数カ月の取引であれば外貨建てMMFが良いかと思いますが、為替が不安定なので、こちらも正直微妙です。一番の投資先は自分自身という事をお忘れなきよう。