予防とお手入れ

予防とお手入れ

2025年7月15日

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妊娠した時に
一子いっしを得ると一歯いっしを失う」とことわざにある通り、妊娠から出産、育児という期間は歯と口にトラブルを抱えやすいというのは現代でも変わらずにある問題です。生活の変化、食事の変化、ホルモンバランスの乱れ、むし歯と歯周病のリスクは高くなりやすいです。そんな時期を安心して過ごせるように。

①妊娠した時に

(1)見られやすい口腔のトラブル
歯ぐきに腫れや出血がある / 歯がしみる / 歯や歯ぐきが痛い / 口がネバネバする・乾燥してひりつく / よだれが多くなった / 歯磨きが気持ち悪い / 食べ物の好みが変わってむし歯や歯周病が心配 / 口内炎が何度もできる / 口臭がする など

(2)起きていること(原因)
妊娠をされますとホルモンバランスが変化します。また色々な環境の変化、心配、不安など、体だけでなく心理的なストレスも多くなります。食の好みもタイミングも変わりますし、吐いてしまう、食べ続けてしまう、においや環境など今までは気にも留めなかった事で気持ち悪くなってしまう・イライラするなど、自分を自分自身でコントロールが出来ない事に更に不安を抱えられる方も多いです。
一方、口の中では、女性ホルモンは細菌を活性化させる場合があります。水分量の変化で唾液に変化があると、口腔細菌のフローラも変化させます。乾燥は粘膜を傷つけて回復を妨げますし、抵抗力が下がりますので、口内炎や歯周病、むし歯、口臭などに罹り安くなります。
匂いもするし汚れているのは分かるけれど、気持ちが悪くて磨けない…口をゆすぐにも気持ちが悪い、という方もいます。この時期は身体が乱れてしまって更に不安に感じる事かと思います。数週間から数ヶ月で落ち着く事が多いですので、つわりが落ち着く頃に歯科を受診しましょう。16週〜28週の安定期頃に予約をいただけると余裕を持って診察が可能です。ご出産されると今度は育児で、夜もなかなか眠れない。という期間になります。安定期から後期の間に歯周治療を行うことで早産や低出生体重を防ぐことが期待されています。

②妊婦歯科健診
上述の通り、妊娠による身体の負担はとても大きく、口には影響が生じやすい事が知られています。また、歯周病には早産や低出生体重児との相関関係が指摘されていますので、出産を迎える前に口の中も環境を整える事は重要です。産後も授乳や夜泣きで自分の事は後回し、という方も少なくありません。そんな時期ですが、安定期から出産を迎えるまでの間は比較的安心できる期間ですので、その間に準備を整える意味でも歯科受診をお忘れないようにされてください。
はつおい歯科室では、健診時にむし歯や歯周病と判断した場合には、時期を見て治療を開始して臨月の頃にもう一度清掃をさせていただいています。

③妊娠している時の治療

(1)診療の前に
妊娠されている事は事前に受付と歯科医師や歯科衛生士にも伝える様にしましょう。伝えにくい場合にはマタニティマークを見やすい位置に持ってくるなどするか「妊娠して、緊張します」や「今日は麻酔は使いますか?妊娠をしているので」などと伝えると自然に伝えやすいかもしれません。普段から通っていると余計に伝えにくい場合があったりタイミングに悩んだりされますが、歯科医院側も伝えにくさは承知していますので、急に伝えていただいても大丈夫です。妊活中や不妊治療中、なども伝えていただけると安心します。受付で予約を取る時や来院時ですと助かりますが、忙しそうにしていたり他の人がたくさんいて気になる場合があったりと、やはり伝えにくい場合がある事があります。申し訳ございません。その場合は、診療室に入って誘導係と2人になったタイミングが話しかけやすいかもしれません。

(2)歯周病について
歯周病は歯の周りで起こる、細菌感染を原因とした炎症性疾患です。炎症(細胞の破壊)が起こる時に出てくるプロスタグランディンは筋肉を収縮させる作用があります。これが多量に流れ出て血流に乗ることで子宮収縮の作用を起こして早産につながるとされています。また歯周病原菌は血流に乗って羊水や胎盤に侵入し胎児に感染する可能性も指摘されていて、重度歯周病では低出生体重のリスクが7倍もあるとされています。お子様の事ばかりでなく、脳梗塞やアルツハイマー、心臓病など命や生活に関わる病気を引き起こす(リスクを上昇させる)事が分かってきています。お子様のため、ご自身のため、ご家族のためにも、妊娠を機に治療を受けてくださればと思います。

(3)むし歯について
むし歯と言っても治療をするべきむし歯とそうで無いものがあります。痛みが出る恐れのある大きいむし歯は直ぐにでも治療が必要ですが、表面的な着色に限られるものでは治療しない方がいい場合もあります。詰め物が古くなっている、段差がある、形が合っていない、などもむし歯の治療に含まれますが、その状態や範囲など総合的に評価して、治療するべきかの判断が必要です。妊娠中では負担は可能な限り避けたいですから、必要度と緊急度を考えた上で、すぐにやるべきなのか、ご出産前には終えたいのか、ご出産後でも大丈夫なのか、判断しながら、またはご本人とも相談しながら治療の決定が必要です。ご本人の体調やお仕事、ご家庭の都合、里帰り出産をされるのかなど、状況も様々ですので、歯科医師や歯科衛生士、助手や受付、相談しやすい人にそっと相談するだけでも大丈夫ですので、ご意見は伺えるとありがたいです。

(4)治療全般について
一般の患者さんではレントゲン撮影が学会からも推奨されていますが、妊娠されている場合は胎児への影響を考えてレントゲン撮影は避けることが殆どです。ただ、お口の撮影ではお腹とも距離があり、防護服も使用するので、ほとんど影響が無いと言われていますので、必要に応じて撮影する場合があります。
治療中についても、お薬の使用を避けられる限りは避けますが、必要に応じて安全なお薬を選んで使用します。お薬はそれぞれ、胎児への影響や授乳されている場合の影響なども調べられていますので、それを考慮して処方します。不安な場合は処方薬局などで薬剤師さんへ相談されるのが良いかと思います。

歯科の治療は外科治療にあたる為、麻酔を使用することが多いです。痛みによるストレスは母子ともに悪影響を与えますので、妊娠中でも麻酔は使用しますが、避けられるのであればそれに越した事はありません。治療で得られるものとリスクを考えながら治療をしていきます。
歯科で使う麻酔薬は使った場所の周囲で分解される事が分かっていて、安全だと言われています。ただ、以前に麻酔で気持ち悪くなった、そもそも体調がすぐれない、など不安な時には相談をして、場合によっては治療を延期することも考えましょう。

④Q&A

質問:赤ちゃんの歯はいつ作られるの?
回答:お腹の中にいる時に作り始めます。歯は胎児の時に卵のような細胞が分裂し始めて、生まれた時には歯の冠が完成している歯もあります。ですので「お腹の中にいる時に風邪をひいた事がある」などでお子様の歯に色がついたりする事があります。そんな場合はむし歯になりやすい事がありますので、注意して磨きましょう。

質問:妊婦歯科健診は意味があるの?
回答:あります!むし歯や歯周病の早期発見に役立っています。普段から通われている場合は、健康診断のみで清掃などは行えませんから、普段とは違う事はご理解いただければと思います。初めての方は、妊婦健診は市の委託事業で無料で行う事ができます。保険治療の場合にかかる「初診料」とそれに関わる加算がかかりませんので、全体としても安く受診できると言えます。(浜松市の場合は健診が出来る医院が限られますので、事前にお調べいただくか、お問い合わせください。)

質問:赤ちゃんの為に母親の歯からカルシウムが取られるの?
回答:そんなことはありません。昔は、妊娠すると歯が悪くなってしまうので、その様な事が言われました。歯からカルシウムを取られる事はありませんが、それ程に母親の負担があり、歯は特に悪くなりやすい、という言葉と捉えていただければと思います。

質問:歯科健診ではどんなことをするの?
回答:健診ではむし歯があるかないか、汚れの状態、歯石の状態などを見る事ができます。歯周病の検査も行いますが限られていて、6本の歯だけを調べる簡単な検査です。その他、心配な事にお答えはできますが、「歯石を取る」「むし歯を治す」などの治療行為やその他保険診療は、健診と同日には原則、行いません。

質問:歯科健診だけを受ける事はできるの?
回答:可能です。当院でも、問題がなかったり、普段は別の医院でクリーニングを受けている、などで治療の必要がない場合には予約のお話をせずに終える場合があります。ただ、健診の結果で治療が必要と言われた場合には、別の医院でも構いませんので治療を受けていただければと思います。

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