はつおい歯科室 べいちょうです。
歯科医師って、治療をするにあたって、知識はもちろん、技術ってすごく必要ですよね。
歯科医師は「歯科医師国家試験」という試験に合格しなくてはいけません。
2023年に行われた歯科医師国家試験は合格率63.5%だったそうです。
前置きを書いていたらまた長くなってしまったので後述することにします。(=_=)
実は歯科医師国家試験には、実技試験がないんです。
歯科医師は知識も技術も、自力で習得しなくてはいけないんです。
資格はあっても実際には出来ない事ってたくさんありますよね。
実は私、サプリメントアドバイザーの資格を取ったことがあるのですが、サプリのアドバイスなんてした事がありません。更新の期限も過ぎて今では失効していますが、結局出来ないままでした。
歯科医師は、診療技術を習得する為に研修医の期間がありますが、患者さんは実験台ではありません。
研修医期間も治療はさせてもらえない事が多かったりします。
そこで出来るのが、模型での練習や、抜いた歯を使った練習です。
先生に頼んで抜いた歯を貰い、根っこの治療や歯石取りの練習をしたり、模型の歯を買って詰め物や削る練習をします。
今でも勲章の様に100本を超える歯と300本を超える模型の歯を取ってあります。
研修医の頃は、診療の1時間以上前に診療室に行って練習をして、診療の後は何時間も残って練習をしていました。診療室は広くて静かで、無心で治療の練習をしていたことを思い出します。
模型を買いまくるので売店の人も覚えてくれたり、警備員さんが感心して「頑張って」と言ってくれたり、担当の先生が「変な奴だ」と言って、(私から見たら)嬉しそうな顔をしてくれたり、良い思い出です。
研修を終えても練習は続きます。診療の為には、とにかく数をやりまくる事です。
診療で取った型は治療を終えると不要になりますが、それを使って仮蓋の練習や仮の被せ物の練習
模型を削って詰める練習、普通の紐を使って縫う練習、型取りの練習。とにかくたくさんやりました。
勤めていた医院がそれを許してくれて、推奨してくれる医院でした。
もちろんサボりたい、帰りたい気持ちもたくさん出てくるのですが、周りもフォローをしてくれました。
本当に良い環境で成長できたと思っています。
医院を始めると、外のセミナーに行くのになかなか難しいと思っていたのですが、今は無料の動画や資料がたくさん出回っています。オンラインセミナーもありますし、意外と困らないものだと安心しています。
少し困るのは、実習形式のセミナー(ハンズオンセミナー)を受けに行けていない事です。
「人間にとって最高の贅沢は、勉強だ!」そんな言葉が、すごく耳に残っています。
日頃の忙しさに負けると、ついつい勉強が疎かになりがちですが、贅沢にも勉強を続けていきたいと思います。
例によって長くなりましたので後述に回りました。
歯科医師国家試験の合格率、63.5%。この数字、結構厳しいです。
歯科医師国家試験の受験資格を得るためには、歯学部を卒業するかその見込みである事が必要です。
最低6年間は大学に通っている必要があります。
6年間かけて学んだ内容を、1回の試験で審査を受けて、63.5%の人が国家資格を得ることが出来ます。
実はその前にも難関があります。大学の卒業試験です。
各大学の歯学部は、合格率を上げる事で学部の入学者を募ります。
合格率を上げる為、国家試験に合格する見込みのある人だけを卒業させて、分母を減らす方策をとります。
結果的に6年生で留年する人がたくさん出てきます。卒業試験は何回もあるのが普通になっています。
それ以下の各学年でも実力が認められないと進級が出来ない仕組みにもなっているので、大学に6年間以上在籍している人が、実はとても多いです。
6年生に上がるまでに、退学する人も多いですし、何年間も2年生だったり4年生を繰り返す人も多いです。中には10年以上大学に在籍している猛者もいます。。
しかもそんなに人数もいないので、同じ学年の人はみんな顔見知りです。文系の大学などでは同じ学年で学科が同じでも知らない人って結構いますよね。私は駒澤大学という文系の大学を卒業してから日本大学松戸歯学部に編入学して入りましたので、本当に不思議な環境だと感じました。
学生の方が、先生よりも先輩だったりすることもあったりします。
そんな環境を乗り越えて、卒業した人の63.5%が資格を得て、36.5%が国家試験の為に更に浪人をします。
「歯学部生」はそんな不思議な世界で育って「歯科医師」を目指しているわけですね。
毎年約2000人の合格者が出ている歯科医師国家試験。
毎年2000人の新人に、負けないように、欲を言えば教えてももらえる様に、頑張りたいと思います。