はつおい歯科室べいちょうです。
先日受けたセミナーでむし歯の概念が変わってきている。
むし歯菌として有名なミュータンス菌は実はむし歯を作る菌でない。
という様な講演内容でした。
自分が大学で習っていた事が今でも役立つというのは嬉しい事です。
もう7年以上前、学年を考えたら10年くらい前に習ったことが、「最近の研究で」と話されていると、何だか鼻が高い思いです。
ミュータンス菌は砂糖を取りこんでネバネバ(菌体外多糖)を作り出す
このネバネバに多種細菌がくっついて集団生活を開始
砂糖はどの菌にとっても効率の良い栄養源
菌が砂糖を取ると、その産物として酸を作り出す
作った酸が唾液に溶ければ問題はない(希釈作用・緩衝作用)
が、ここにネバネバがあると、酸はとどまって歯を溶かす
と、そんなお話です。3年生だったか、当時の細菌学の前教授がお話に来てくださって、「これをテストに記述で出すから!絶対覚えろよ!」と抗議の最後に黒板に書いて説明してくださったことを覚えています。その時に講師をしていた教授が苦い顔で前教授を見ていた事が思い出されます。
卒業後、色んな先生や歯科衛生士さんとこの話をしますが「そうは習ってない」「違うと思う」と言われました(笑) そんな経緯もあって、嬉しいのかもしれません。
常々思うのですが、大学の時と研修医の時に良い環境で学べたことが本当に今になってありがたいです。当時はこんな事まで知っていなくてはいけないの…?と苦労しましたが、だからこそ教えてくれていたんですね。歯科医師国家試験が難関になって近年は更に試験対策ばかりに時間を取られるようですが、そこには出ない大切な物事がたくさん学べたように思います。もちろん真剣に取り組んだ成果だとは思います。大学の基礎科目、臨床科目、臨床実習、臨床研修と辛い時期はたくさんありましたけどね。先生からの怖いプレッシャーも、今になって思えば患者さんの前で説明する方が緊張します。口頭試問も変な事ばっかり聞きやがって!なんて思っていましたが、知識を入れるだけでなく引き出す力もつけていただいたように思います。プレッシャーをかけられながらの実習や研修も、身になっているなと。有難い。有難い。