塵も積もれば何とやら

塵も積もれば何とやら

はつおい歯科室 べいちょうです。

私が以前勤務していた歯科医院の院長は、大変ケチな人でした(笑)。 斯く言う私もケチな質ですので、節約する気持ちには共感できたのですが…。
ただ、私とは決定的に「価値観」が違いました。

例えば、事務用品の**「スティック糊」**。 いくら安くても、使い勝手が悪いうえに接着力が弱くて剥がれてしまう。それでも「安いから」とそれを使い続ける。

例えば、「技工器材」。 入れ歯の調整などで使う消耗品は、どんなに効率が悪かろうと、「もう物理的に使えない」という状態になるまで交換してはいけません。もし勝手に変えると、減給の対象でした(笑)。

例えば、「機器のメンテナンス」。 メーカーの担当の方を呼び出して、「次は買ってやらないぞ」と脅しつけて、年末に無料でメンテナンスをさせていました。

そして極めつけは、**「給与」**です。 休日によく会議がありましたが、それはあくまで「自主的に行った会議」という名目。 当然、出勤扱いではないので、給与はもちろん、交通費さえ出ませんでした。

その院長の口癖は、 「ちりつも」でした。

そこで、疑問がわく訳です。 「私たちの時間は……0円?」「テープ糊よりも安い私たち・・・。」

効率が悪かろうと使い続ける、安い糊や削れない器材。 倍の値段がする「テープ糊」を使えば、作業は半分以下の時間で終わり、接着力も強く、剥がれるストレスもありません。 ちゃんと削れる新しい器材を使えば、患者さんを待たせず、丁寧に、早く治療が終わります。

費用が発生しないからと呼びつけた担当さん。 彼らにも会社での立場があります。気持ちよく仕事をしてもらうためには、適正な対価を払って「お得意様」になり、応援してもらうべきです。

「自主的」だからとタダ働きさせた休日の従業員。 貴重な休みを奪う対価は、給与を払ったとしても、本来は足りないくらいです。

「タダより高いものはありません」

目先の銭を浮かせた代償として、 「時間」という二度と戻らない資源と、 「信頼」というお金では買えない資産を、ドブに捨てているようなものです。

当時の職場は、今やなくなりつつあり、当然と言えば当然の末路のようにも思われますが…。
悲しみがあります。

院長の言っていた「塵も積もれば」は、本当でした。 ただ、積もっていたのは目前のわずかなお金と、**「従業員や業者さんからの不信感」**でした。 それが積もりに積もって、もはや山脈をも越えようという域に来ている様です。

数万円の経費をケチるために、結果として数千万円か、あるいは数億円の未来を失う訳ですから。

「ちりつも」
使い道を間違えると、本当に怖いですね。
私もケチな一人として、本当の価値を見誤らない様にしなくてはいけません。

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