はつおい歯科室 べいちょうです。
私の感覚でいうと「投資」という言葉に若干のネガティブ感情を抱くのですが、皆さんはいかがでしょうか？勝手に日本代表的に意見をしますが、なぜか「投資」を忌避する感覚が日本人にはある気がします。私の世代が、なのでしょうか？私は「ゆとり世代」とか「ミレニアル世代」とかと呼ばれる世代の人です。私たちの上がいわゆる「就職氷河期世代」でその上が「バブル世代」という感じでしょうか。
どんな投資をしても多くなって返ってくる「バブル世代」のつけを「就職氷河期世代」が支払って、その反動で我々「ゆとり世代」が甘やかされて、夢を見られない「さとり世代」が生まれ、「就職氷河期世代」に育てられた「Z世代」と「ゆとり世代」に育てられた「α世代」が…と何だか世代世代と出てきますね。
「投資をすると損をする」という大きい“体験”が私たちにはあるようです。結果的につい最近までの緊縮が続いて日本という国の先細りをまさに“体験”している私たちです。
日本では、多くの子どもが学校に通いますね。「義務教育」と言われて何だか縛られた雰囲気ですが、日本という国が成長するために必要なコストとして「教育」という先行投資が欠かせないから「義務」と強い言葉を使うのでしょう。目の前の苦しさから学校に通えずに家業を手伝う人もいるでしょう。その場その時に生計を立てる事は必要です。ただ、それがその子にとって最良なのかは、分からないですね。一部の突出した才能を持つ人は小学校なんかには通わずに偉大な成果を生み出すかもしれませんが、ほぼ１００％の人は凡人ですから、やはり学校に通う事はその子の将来に必要で「義務」になっているのでしょう。
私は大学に行かせてもらって、しかも２つです。大変な先行投資です。
しかし周囲を見ると、「大卒」という先行投資が上手く行っていない人がとても多いです。大学がファストパスの様な扱いだった時代が終わって、能力だとか実績だとか器用さだとか、才能や努力が必要な時代になっているのだと思います。そうなると「大学に行った」というのはむしろ足枷で、「無駄な４年間を過ごした」という看板になりかねないのです。
私にはそれが上手く働いたのかもしれません。何せ２つも行きましたから。文系の大学４年間と歯学部は６年間（編入したので５年間＋臨床研修で１年間）。「無駄な１０年間を過ごした」看板を背負って社会に出た自負があった訳です。普通に過ごせば周囲に置いて行かれますから、勉強も実習も必死でした。それが、今の私を作った根柢の苦しくて辛い時代ですね。
問題はここからで。社会に出てからのお話で。
社会に出るのは人によって１５からだったり１８からだったり、２０や２２だったり私のように３０だったり。で、人生は少なく見積もっても６０年はある訳です。そうすると人生は半分行っていない事が殆どで。それなのに大学を卒業した途端に「投資」をしなくなるんですね。やっぱり謎の忌避感情があるのだと思います。人生のゴールが「就職」や「社会人デビュー」とかになってしまっていたのかもと思うのです。特に私の世代は。
人生が少なく見積もって６０だとしたら、私なら５０～５５位にピークを持っていける様にします。それまでは勉強と実習をし続ける必要があるって事です。過ぎたら、知識と技術が衰えない様にやっぱり勉強と実習が必要なのです。土俵は年齢不問ですから、少なくとも競り合えないといけない訳です。
その考えで見る私の世界では、私の人生観で言う６０オーバーの若者がたくさんいる気がします。引退を控えたか引退をした人の様な感じ。惰性で飛んでいて自分の失速と降下を見守る感じ。エンジンをかけない感じ。
あくまで私の人生観です。私は早死にしそうなので、６０には引退して７０には目を瞑っていようって感じなんです。なので「６０歳の人に失礼だろう！」みたいなのは辞めてくださいね。。
そうなると私の目には、若者は１０年以上先がもう見えないか無いような雰囲気で生活している様に見えている訳です。瞬間主義とまではいかないものの、「将来」という言葉にすら嫌悪感を抱くような雰囲気に見えるのです。そうなると、私の様な「先行投資」みたいな考えは忌避されるのかなぁなんて。
先行投資は先行すれば先行するほど対価が大きいと思うんですよね。私なんかは自分に鞭を売ってでも先行投資したいタイプなので「休みの日には仕事関連の事は一切しません」みたいな雰囲気は「かわいそう…」とすら思うのですが、まぁ塩梅ですよね。でも休みの日以外に勉強の時間はつくれませんよね…？
自分の身になる努力なのかどうかは、自分の捉え方と取り組み方次第ですし。時間のやりくりは器用に出来るかとか考えて行動できるかとか、やっぱり本人の問題で。人が３分でできる仕事を３時間かけてやる人もいるわけで。何だかいろいろと考えていると「教育に問題が！」となり勝ちで私の思考回路には注意が必要ですね。
小学生や中学生の素直さがあれば、人から与えられる「義務」でも先行投資になりますが、素直が吹き飛んでしまうとどんなことでも「おせっかい」や「嫌がらせ」になりかねません。「君の為に言ってるんだ」が信じられなくなったのなら、それはもう自ら鞭打って苦労を買うしかないのだと、私は思うのですが。今時は流行らない考えですね。
