はつおい歯科室 べいちょうです。
普段、病院に行くと「内科」と「外科」がありますよね。
しかし、歯科がどちらに近いかご存じでしょうか?
実は、歯科治療の多くは 外科治療 に分類されます。
むし歯治療・歯周治療・根管治療・抜歯・詰め物・被せ物……
どれも “身体の組織を削ったり、取り除いたり、形を変えたりする治療” です。
「歯を削る」という行為そのものがすでに外科的処置なのです。
この外科的な性質を理解していただくと、
予約制で治療を行うことの意味 や、
時間に遅れてしまうことのデメリット が分かりやすくなります。
今日はそのお話をしたいと思います。
■ 内科と外科の違いをやさしく言うと
◆ 内科:体の内側の「働き」を整える治療
- 薬で炎症を抑える
- 生活習慣を整える
- 経過をみながら治していく
- 病的な変化を外から観察する
治療の中心は 薬・検査・管理 です。
◆ 外科:体の「構造」に直接手を加える治療
- メス、器具を使用
- 出血が伴うことがある
- 無菌環境が必要
- 精密な作業で安全確保が最優先
◆ 歯科はほぼすべて外科
口の中で行っていることは:
- 組織(歯)を削る
- 炎症部分を除去する
- 根の処置をする
- 歯肉や骨を扱う
- 抜歯する
- 形を回復する
これらは全部、外科の領域。
だからこそ 安全性・精密性・環境管理 が何より大切になります。
■ 歯科が予約制である理由──それは「安全のため」
歯科医院が予約制なのは
“待ち時間を減らすため” だけではありません。
一番大きな理由は 安全確保 です。
◆ 外科処置は時間がずれると危険になる
- 麻酔の管理
- 切削の精度
- 無菌状態の維持
- 使用器具の準備・滅菌
- レントゲンの読影
- 血圧や既往歴の確認
これらを 適切な順序・十分な時間 を確保して行う必要があります。
途中で急がなければならない状況になると
外科治療の安全性が損なわれます。
◆ 予約時間は「治療の質を守る枠」でもある
患者さん一人ひとりが
その治療に必要な時間を確保して受けられるように
予約枠を設定しています。
その枠が乱れてしまうと、
- 治療がしっかりできない
- 器具の準備が追いつかない
- 診療が雑になる
- 血圧や体調のチェックが不十分になる
という 安全上のリスク が出てしまいます。
■ 予約に遅れたときのデメリット
歯科治療は外科処置なので、
「短縮しても同じクオリティ」にはなりません。
🟥 遅れると起きること
- 本来行うべき安全確認が十分にできない
- 麻酔にかけられる時間が短くなる
- 精密な作業を急がざるを得なくなる
- 本来必要な治療を次回に持ち越さざるを得ない
- 最悪、安全に治療できずお断りすることもある
つまり、治療の質と安全性が低下してしまう のです。
歯科医療は「時間を消費すれば終わる作業」ではありません。
その時間の中で、
安全な手順・十分な確認・正確な操作 が必要なのです。
■ 歯科の治療は、患者さんと医院の「共同作業」
私たちは、
- 安全な外科処置
- 十分な時間確保
- 丁寧で精密な治療
これらを守ることで
患者さんにとって最良の結果を提供したいと思っています。
そのために、
予約の時間を守っていただくことは
治療の成功そのものにつながる大切な要素です。
どうか、ご理解とご協力をお願いいたします。


