噛み合わせの変化について

噛み合わせの変化について

2023年6月1日

はつおい歯科室 べいちょうです。

人のかみ合わせは一生をかけて変化していきます。
雑食の私たちは、肉を噛み切れる前歯と、草をすり潰せる奥歯を持っています。

頭蓋骨模型
理想的な形の頭蓋骨模型

人間は1度の生え変わりを経て長い年月同じ歯を使うようになります。
人が、人になったころ・・・原人と呼ばれた時代や縄文人と呼ばれた時代の祖先達の一生はどれくらいだったでしょう。
縄文時代の遺骨から鑑定された平均寿命は30歳ほどだったそうです。
この時代、病気や感染症、災害や獣害、飢饉によって、全体の平均寿命は十代だったとも言われています。

我々の祖先が、長寿でも30代で亡くなっていた事を考えると、人の歯は30代まで持てば大丈夫なように人は進化しているとも言えます。
人は器用なもので、例え歯を失っても狩猟や採集ができたし、調理によって食形態を変えられます。
弥生時代の遺跡から木製の入れ歯も発掘されています。なんとも器用ですね。
あらゆる生き物は進化し適応していきます。
人も原人から環境に適応して進化して現代人になっています。
が、口の周り、特に歯の頑丈さや抜けにくさ、代わりの歯などは進化していなさそうです。
歯が頑丈な人だけが生き残る。そんな時代は、なさそうでした。

歯の抜ける順番は実はパターンがあります。
まず磨きにくい奥歯が虫歯や歯周病で失われます。根が残っていてもかみ合わせを失うので同じ状態になります。奥歯を失い始めると噛む場所を失って、次第に前歯で食べ始めます。奥歯は草木をすり潰せるほど頑丈な歯ですが、前歯はすり潰したり咀嚼したりするのには向きません。傾きのある前歯は力を分散させることができないのです。前歯で噛み始めると上の前歯が下から突き上げられて不具合を生じて、次第に抜けていきます。上の前歯を失うと噛むところが亡くなり、食べ物に偏りが出始めます。それがパンやお米など、糖を多く含んでいて脂質やたんぱく質を含まないものが増え始めます。それらは歯の表面に付着しやすく、噛み合わせもないので自浄作用もないため、むし歯をつくります。歯の根が出ている場合は特にむし歯になりやすくなります。また、歯の本数は減っても顎の力に大きな変化はないので、歯が折れる、などの不調も続きます。だんだんとご自身の歯で噛める場所を失って、入れ歯も合いにくい。そんなパターンがあります。全部が繋がっているんですね。なので、どこかで食い止める事が出来れば、そう思うのです。

歯ぎしり(ブラキシズム)
歯が抜けても、歯ぎしりって続いちゃうんです。

今の時代は、長寿の時代です。寿命は延びて60歳でも70歳でも、90歳でも、現役の人はたくさんいますよね。
時代が変化して便利になったり、健康的な物を食べられて栄養も豊富です。
縄文時代であれば30歳はもう、おじいちゃんおばあちゃん、長老だったかもしれません。
けど今は、70歳でも「おじいちゃん」「おばあちゃん」と言ったら怒られそうな若々しい人がたくさんいますよね。


6月4日から一週間は『歯と口の健康習慣』があります。
色々なところで歯ブラシなどの“セルフケアグッズ”が目につくようになると思います。
歯と口の状態が寿命、特に健康寿命に大きくかかわっていると言われています。
口腔内の状態が良いと一生涯にかかる医療費が低い事も研究から示唆されています。

歯と口の健康は一日にして成らずです。幼少期からの積み重ねが出てきてしまうところ。
けど諦めたりはしないでください。
歯は何本もありますが、必要があって何本もあるんです。
歯を失い始めると、それは他の歯や顎、体にも影響してきます。
負担が増えた他の歯は余計にリスクを増してしまいます。
その状態に、それぞれ合わせた治療を受けて、進行を食い止めてあげてください。

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