金属アレルギーは口にでない?!

金属アレルギーは口にでない?!

2023年6月6日

はつおい歯科室 べいちょうです。

金属アレルギーってご存知でしょうか?
シルバーアクセサリーなどで皮膚が荒れてしまうものです。
体の金属に対する拒絶反応とでもいえるのでしょうか?
金属に触れる事で炎症を引き起こしてしまうんです。

そんな金属アレルギー、口の中の金属は大丈夫なんでしょうか?
①金属アレルギーとは?
②歯科で使われる金属は?
③金属アレルギーは口に出ない?
○私の経験談○
○金属に頼る場合○
そんな流れで書いていきます!

金属アレルギーとは?
金属アレルギーは金属イオン(細かな粒子)に反応して体が炎症を引き起こすものです。
金属すべてがダメ、ではありません。人によってどの金属にアレルギーを持つかは異なります。
花粉症もアレルギーですが、スギ、ヒノキ、シラカンバ、イネ、ヨモギ、ブタクサなどがありますよね。
特定の花粉に反応してしまいます。
金属アレルギーも人それぞれです。もちろんアレルギーは複数持っている方もいらっしゃいます。
金属アレルギーには、金属アレルギーを起こしやすい金属とそうでないものが有ります。
特に起こしやすいのがコバルトとニッケルと言われています。
他にも、銅、アルミニウム、スズ、鉄などが多く、クロムやパラジウムもアレルギーを起こす金属です。
極端に言えばアレルギーを起こさない金属はないようですが、その中でも起こしやすいものが上記です。
日常に見る金属はたいていが合金(種々の金属を混ぜたもの)です。純銀や純金は殆どありません。
シルバーアクセサリーも、銀色のアクセサリーで、銀が入っているとも限りません。
安い金属のアクセサリーは加工も不十分で、アレルギーが出やすいと聞いたこともあります。

歯科で使われる金属は?
歯科で使う金属の代表が『金銀パラジウム合金』と呼ばれる『銀合金』です。
いわゆる「銀歯」に使うのがこの『金パラ』です。
銀の成分比率が高いので、銀合金に分類されます。実際には、銀、パラジウム、金、銅の他に、亜鉛、スズ、インジウムなどが使われています。
主たる組成の銀・パラジウム・金・銅の大まかな成分比が決められていますが、細かな成分までは規定されていないようです。
①金属アレルギーとは?に書いた、アレルギーの出やすい銅、スズ、パラジウムが使われています。
またインジウムもその他の成分として使用されている場合もあります。
もちろんアレルギーが出にくいように加工をするものですが、毎日使っている歯に着けるものですから、アレルギー物質は出てしまうと考えられます。
アレルギーに着目すると危険そうな一面がありますが、丈夫で咬合(噛み合わせ)に耐えられて、加工がしやすいという歯科の種々条件に合うのが『金銀パラジウム合金』なんですね。
最近では奥歯のかみ合わせにも耐えられる強化プラスチックが出てきていますので、金属アレルギーの人でも治療がしやすくなっています。一方で、アレルギー検査を受けないといけない事で少し負担もあるみたいです。

金属アレルギーは口に出ない?
問診票ではどの医院でもアレルギーは必須項目かと思います。
そして、問診票で「金属アレルギー」にチェックがあるのに銀歯がたくさんある人、結構お見かけします。
そういう場合、歯科医師はどこを見るでしょうか?それは、なんです!
掌蹠膿疱症』という原因不明の症状をご存知でしょうか?手のひらや足裏に「膿疱」と呼ばれる皮疹が出てしまう症状です。この『掌蹠膿疱症』は原因として口の中の金属が関係していると言われています。
口腔内の清掃状態でも症状の緩解・増悪があるようです。口の中に菌が増えると金属付近が酸性化してイオンが溶出しアレルギー症状として掌蹠膿疱症が出るのでしょうか?残念ながら専門家でもなく断定的に記載することが出来ませんが、口の中は体調や食習慣、精神面でも、常に変化します。唾液の量や性状が変化したり、緊張による乾燥や鼻づまりによる口呼吸も考えられますね。体はあらゆるきっかけで変化します。
金属はやはり、アレルギーの観点からは良くなさそうです。

私の経験談
これまで私も、患者さんの手荒れを見つけて、メタルフリーの治療をしたところ、それが治った人も。皮膚科へは行かれていなかったので、それが掌蹠膿疱症かどうかの診断は受けられていませんでしたが、「治りました!」と感動してくださった患者さんもいらっしゃいました。
やはり診断を受けていませんでしたので、掌蹠膿疱症だったのか、金属アレルギーだったのかも不明ですが、金属はやはり手荒れを起こしてしまう場合があるようです。
金属アレルギーの検査は実は面倒が多く、皮膚科で受ける検査です。種々の金属を体に貼り付けて、アレルギーが出るか否かを経過観察するような『パッチテスト』が行われるようです。またアレルギー検査は金属に限らず料金が高くなる様です。なので、検査は受けず、「白くなって治るなら!」と治療を受けてくださって、「手が奇麗になりました!」と喜んでくださったという経緯でした。
保険内の白い物でも、奥歯まで治せるようになってきていますので、白いから保険外、という事もなく、通常のむし歯治療の範囲で治す事も出来て、患者さんも喜んでくださって、私も嬉しかったです。

○金属に頼る場合○
そんな金属ですが、やはり頼れる材料であることに間違いはありません。やはり丈夫なんです。
以前のブログで歯ぎしりについて記載したことがあります。(記事『歯ぎしり ~最恐習慣~』)
歯ぎしりがある場合には白い物はすぐに割れたり削れたりして破損します
そんな場合にはマウスピースは必須と思って頂ければと思います。
ご自身は寝ていて気が付かないものですが、担当医として、日に日に削れて行く歯は心臓に悪いです。
「色々な歯医者でマウスピースを言われて、嫌になっちゃう」そんな方もいらっしゃるとは思います。
「何度か作ったけど、面倒でつけなくなっちゃう」そんな方もいらっしゃるはずです。
しかし、一日でも着けてもらえると、私は安心です。ちなみに私は中学の頃からマウスピースをしていて数えきれないくらい作り直しています。つけなくなってしまった時もありましたが、顎や歯を痛めてはまた着けての繰り返しです。どうか、私のような目に合わない為にも使って頂きたい。苦笑

金属は丈夫で長持ちする良い材料ではありますが、やはり一長一短あるものです。
詰め物や被せ物でご不安のある方はいつでもご相談ください。

WEB予約はこちらから
WEB予約はこちらから