特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」

はつおい歯科室べいちょうです。

日曜日、名古屋市科学館で特別展をしていた特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」に行ってきました。
以前、息子が東京に行った時にこの展示を見て、随分と楽しかったそうで。東京の会期が終わって夏休み中(9月23日まで)は名古屋市科学館の地下2階で展示されています。

私が注目してしまうのはやっぱり歯と噛み合わせで。色々なものを見ているつもりでもいつの間にか口に注目してしまいます。
展示では古来日本人を、時代に分けて紹介されていて、当時の人骨とともに骨格やCGで再現された体格などを説明してくれています。ナビゲーションの音声をサイエンスZEROという番組でナビゲーターをされている井上咲楽さんが務められてます。

とても勉強になりつつ、やっぱり歯について考えさせられまして。というのも、展示された骨格の歯は、歯並びが良いんです。親知らずまでしっかりと生えて、時代が古いほど歯は咬耗していました。おそらく、固いものを食べて、歯を道具としても使っていたのだと思います。古い時代では象牙質が露出していたり、欠けていたり折れていたり。歯の抜けているものもありましたが、むし歯が原因というよりも歯周病が原因のようでした。弥生時代に入り、金属製の農具が出てきたりすると歯の咬耗は目に見えて減って綺麗な歯が揃っていました。やっぱり歯並びはいいですが、舌突出癖と思われる歯並びも見られました。
この時代になるとむし歯がで始めていましたが、歯が欠ける・割れるが先に生じて、結果としてむし歯となっているように見受けられました。
沖縄で出土した骨格はまた少し違って、顕著にむし歯が見られました。奥歯はなく骨も綺麗でしたので、歯を抜いたか抜けたかした後で回復して、奥歯が無い状態で生活されていた事が分かりました。むし歯で歯が欠けていたり、根の先に膿が作られた後が数箇所見られたので、苦労されていたのでは無いでしょうか。

沖縄では当時からサトウキビが流通していたのでしょうか。砂糖を取らなければやはりむし歯にはなりません。弥生時代の愛知県で出土したと書かれた骨格だったかと思いますが、歯を磨いていた跡だと思われる磨耗がありました。お米を食べるようになると砂糖が増えたと思いますが、それでも毎食白米を食べていた訳でも無いでしょうし、現代で食べられるお米ほど糖度も高く無いでしょう。

そんな事をふむふむと考えながら、歯列不正やむし歯というのは、やっぱり現代病と言っても差し支えないのでは無いかと思ってしまいます。見ることのできた方々が何歳なのかは不明ではありますが、親知らずが生えて咬耗する程度には歳をとっていたと考えると、30から40歳以上かと思います。その頃まで、満足な歯ブラシはなく過ごしているのに、一本も欠損がなかったことを考えると、歯周病でさえ現代病かもしれません。

現代では犬や猫もむし歯や歯周病で苦労する時代です。飽食の時代と言われますが、その代償として歯を失うリスクが増えたのでしょうか。ただ寿命が伸びたとか、それだけではなさそうでした。

名古屋市科学館には1日いましたが、周りきれませんでした。すごい科学館ですね。
家から90分もかからずつけるので、またいく機会を作りたいです!

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