我が家の習慣

我が家の習慣

2023年6月20日

はつおい歯科室 べいちょうです。

我が家には今年5歳になるの息子がいます。
「先生の家はどうしてますか?」と聞かれることがあるので、我が家の習慣をご紹介できればと思います。
歯ブラシについては『子供の歯磨きは毎日大変。』を読んでみてください!

①同時に訪れる「感染の窓」と「魔の二歳児」
②ダメ、絶対「フードキス」
③我が家では「間接キス」もNG!
④お菓子は砂糖やブドウ糖を避けて!
⑤お菓子にはチーズやヨーグルト
そんな感じで書いていきます。
そんなに拘ってはいないつもりですが、家庭によってルールが違いますよね。
面白いところがあれば教えてください。では、どうぞ!

①同時に訪れる「感染の窓」と「魔の二歳児」
「感染の窓」という言葉をご存知でしょうか?
1歳半から2歳半の頃に、むし歯菌が定着する、という言葉です。
この頃にむし歯になると、むし歯の悩みが続いてしまい
逆にむし歯にならずに過ごせると生涯、むし歯治療の機会を減らすことが出来る
、という事です。

歯は前歯から生えはじめます。だいたい8か月頃に下の前歯が生えると言われています。
8か月、12カ月、17カ月、19カ月、27カ月の頃に、順々に歯は生えていきます。
(学生の頃、「歯に泣くな82797」の語呂合わせで覚えました。懐かしい。)
乳歯にはA~Eの記号が振られています。生える順番はA→B→D→C→Eとなります。
ですので、感染の窓は奥歯二本(DとE)が生える時期に一致します。

乳歯列のお子さん
乳歯列のお子さん

やっぱり奥歯は磨きにくいですし、子どもはなかなか協力してくれません。
特に2歳は自我の芽生えによる「反抗期」の時期です。
また1歳半から2歳になると離乳食からも卒業して食べ物も変わっていく時期です。
好き嫌いも出てくる時期かと思います。

Twitterの投稿で見たことがあるのですが、
「子どもが何にも食べてくれず、心配で病院に連れて行ったら驚愕、診断結果は好き嫌いでした」という様な投稿を何件か見たことがあります。空腹をも退ける強い信念を子ども達は持っています。

2歳の頃は「魔の2歳児」と言われる生物にクラスチェンジします。運動能力や言語が急激に発達して、精神的にも成長していきます。全部にイヤイヤですし、何が嫌か聞くと、「イヤ」と答えるし、さっきまで良かったものも「イヤ」になります。

そんな、子どもにとっても、大人にとっても辛い時期が「感染の窓」と「魔の二歳児」にあたります。
正直、治療も大変です(笑)

魔の二歳児?わがままも可愛い時と困る時と。
魔の二歳児?

②ダメ、絶対「フードキス」
家庭によってはまだ「親や祖父母が噛んでから与えている」という習慣のある家庭があります。これは絶対に、完全にNGです。「フードキス」という名前があるそうです。「間接キス」の事ですね。
むし歯菌や歯周病原菌に代表される歯科疾患は感染症です。唾液やキスなどによって感染します。
母からの感染が最も多く、祖父母からの感染や保母さんなどの保育者からも感染することが分かっています。子どもは特に細菌の定着が不完全ですので、周りからの感染に影響を強くうけやすいです。
「フードキス」では間接キスどころではなく唾液やプラークといった感染源を直接移植する事になります。むし歯になったことがある人、歯を抜いたことがある人、入れ歯を入れている人、歯周病と診断を受けている人はそれをつくる細菌を持っているキャリアにあたります。同じ悩みに苦しませない為にも、絶対にダメです。
ペットにも実は注意が必要です。元々犬や猫などは人間とは違う口腔内細菌をもっていたのですが、近年では人間(飼い主)と同じ株が感染することが知られていて、ペットの死因にむし歯や歯周病の感染による死亡もあるそうです。また妻と夫の間でスキンシップが無くても、ペットを介して夫婦が同じ株を共有しているとも言われています。お子さんにも同じことが言えるでしょう。

③我が家では間接キスもNG!
頬へのキスはしますが、唇が触れないようにします。
我が家ではお箸や食器はもちろん使い分けます。食べ物もそうですし、食器類やスプーン・フォークも使い分けます。
食べ物を取り分ける時も、私達が使った箸は使わずに、彼用にお箸やスプーンを出しておきます。
私も妻も、むし歯も歯周病も大丈夫ですし、毎食後の歯ブラシや定期的な清掃もしていますので、きれいではありますが、それでも菌種や菌数を増やさない為には必要だと思っています。

④お菓子は砂糖やブドウ糖を避けて!
幼少期は歯周病の心配が殆どありません。むし歯が一番の問題です。
甘い物が一番注意です。細菌が甘いものからむし歯をつくるからです。
特にチョコレートやグミは歯に粘着してしまいます。粘着して残ってしまうと、持続的に砂糖を供給してしまいますし、それ自体に細菌が付着してしまいます。
人間も甘いものが大好きです。体が欲するので、依存的になる事も知られています。
チョコレートには糖質に加えて脂質も含まれて、どちらも脳が欲する栄養素です。
一度でも食べると、それが欲しくて欲しくて我慢できません。
「魔の二歳児」という生物と一日中いちにちじゅう生活していて、これを拒否できる親は少ないと思います。
今の日本においては、栄養補給は十分だと思いますので、間食にチョコレートなどは不要だと思います。
一度でもあげてしまうと、一生むし歯と歯周病に困る可能性がある「感染の窓」を広げてしまうかもしれません。

⑤お菓子にはチーズやヨーグルト
子どもは消化器系が未発達で、消化にエネルギーが必要なたんぱく質はあまり取れません。
うちの子はチーズが大好きでしたので、チーズおにぎりや、果物とヨーグルトを上げたり、妻が苦労して食事を作ってくれていました。チーズもヨーグルトも脂質が多いので、カロリーも十分にあります。
うちの子はバナナも好きで、おやつにもよくバナナを食べてくれていました。彼にとって甘いものと言えばバナナやキウイフルーツの様です。
ちなみに、野菜を食べてほしい、という思いもありますが、子どもは味を感じる細胞も成長途中です。
子どもは苦いものに特に敏感で、私達よりも苦みを感じやすいです。
野菜を食べられないのは、実は当然なんです。

⑥お菓子を貰わないように
町のイベントなどでは子どもを見るとお菓子が配られます。近所のスーパーでは駐車場のおじいさんが飴を配って歩いています。私達は「お菓子食べられないので」と断っていました。貰うとついついあげたくなったり、本人も食べたくなります。うちの子は「虫歯になるから食べないよ」と自分で言ってくれたりしましたが、食べてみたいという興味はあるようです。お子さんによっては「絶対に食べる!」と戦争でも起こしそうなパワーで迫ったりすることもあるかと思います。一度知った甘さは、脳に刻まれて忘れる事はできません。
本人に説明して、甘いものは良くないよ、むし歯になってほしくないよ、大きくなったら一緒に食べようね、などと説得を繰り返して、どうにか納得を得たいものです。

今年になって初めて、彼は4歳ですが、「プリンが欲しい」とスーパーで頑なに主張していました。YouTubeでプリンをお皿に開けているのを見て、それがしたかったみたいです。もう4歳なので「少し食べてみる?」と聞くと嬉しそうに舐めた後、「美味しくない」と言っていました。
甘いものを全くあげていなかったので、甘いものに違和感があるのか、カラメルが苦かったのか、私にとっては少し安心の出来事でした。

⑦いつから食べてもいいの?
基本的に甘いものは不要だとは思っていますが、年齢が上がると友人も増えて、食べる機会も出てくるかと思います。食べてしまっても、叱る様な必要はないかとは思います。依存してしまわないようにだけ注意が必要だとは思います。そして、自分自身で理解しておいてもらう事も、必要だと思います。
そんな事を書いてはいますが私も甘いものが大好きです。生クリームやチョコレート、グミなど、食べ始めると止まらない気持ちがすごく分かります。。

⑧食べるときの注意点は…
・だらだら食べをしない
・食べた後には歯を磨くか、せめて口を水でゆすぐ
・甘い物×炭酸飲料には注意
・乳酸飲料は超注意

だらだら食べ」と言われる、長時間にわたっての間食は危険です。朝昼晩の食事が減ってしまうかもしれませんし、長時間にわたって口の中に甘いものが有る事で細菌の繁殖と酸産生が長時間続きます。
細菌は甘いものを食べて酸を出し、歯を溶かすことでむし歯を起こします。炭酸飲料はそれ自体が酸にあたりますので、酸×酸で危険度は増します。
注意をしたいのが乳酸飲料です。むし歯を形成する酸は、実は乳酸なんです。この乳酸を出す菌が乳酸菌。
むし歯菌として有名なミュータンス菌は、不溶性粘着物質で唾液に抵抗するプラークを作ります。
ミュータンス菌が乳酸菌を守り、乳酸菌がむし歯をつくるイメージです。

大きくなってくると目の届かない事も増えて、いつか友達の家に行ったり出かけた先で甘いものに出会うと思いますが、感染の窓は通り過ぎることが出来たと思います。
ちなみにですが、私自身もお菓子が禁止でしたが、祖母が隠れて私にチョコパイをくれていて、母がそれに困っていたのを覚えています。小さい頃の我が家にはジュースやお菓子が無くて、友人の家にはいつもジュースがあったので、羨ましかった記憶があります。
大人になってから甘いものが大好きになり、30歳を過ぎて初めてむし歯をつくりましたが、思い返せば感謝です。私のレントゲンが院内のパソコンで表示されているのでちらっと見てみてください(笑)

私も甘いものが大好きで、チョコやグミは大好物です。食べさせてあげない事に罪悪感を感じる事もありますが、「むし歯になるよ?」と4歳児から注意を受ける歯科医師としては、一安心するところです。

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