歯医者が歯ぎしりを恐れる理由

歯医者が歯ぎしりを恐れる理由

2023年10月10日

はつおい歯科室 べいちょうです。

歯医者でマウスピースを勧められたこと、ありませんか?

実は多くの人がマウスピースを勧められています。
はつおい歯科室でもマウスピースのお話をしますが、だいたい
「前にも言われたことがあります…」
「作ったことがあります…」
という返答が多いです。でも実際にはマウスピースを使う事が出来ずにそのままのようです。

私もマウスピースを使っています。
歯ぎしりが多く、顎がつかれるのと、歯が痛くなるからです。
しかし、多くの人が自覚や症状なく、いつの間にか
「歯が短くなった」
「しみるようになった」
「欠けてきた」
という状態で、でも、そのままで。そんな方が殆どです。

さて、歯医者が歯ぎしりを恐れるのはどうしてでしょう?

歯ぎしりを恐れている一方で、説明があまり出来ていないのは、どうしてでしょう?

それは、理由が多すぎるからだと思います。
歯ぎしりや食いしばりは無自覚に噛みしめたり歯を擦り合わせたりする事を指します。
寝ている間のイメージですが、実は起きている間にも自覚なく行っている事があります。
いまこれを書いている私も、気を抜くとぐっと噛みそうになりますし、治療中、集中している時にかみしめている自分に気が付くことがあります。
それくらいに「無自覚」なんです。

歯ぎしりが良くないのは、簡単に言えば、歯や歯周組織、顎や首にダメージを与えるから、です。
特に、歯や歯周組織は一度ダメージを受けると修復が難しい組織です。

歯がすり減った所に詰め物をすれば?と思われるかもしれませんが、歯ぎしりで削れたところにそのまま詰めてしまうと、そこだけが高くなり、他の歯は噛みあわなくなってしまいます。詰め物分のスペースが必要になるのです。また、歯ぎしりは90㎏程の力が出ると言われています。そのような力が反復的にかかれば、割れてしまったりまたすり減ったりする事が考えられるので、容易に治療が出来ません。詰め物分のスペースを確保するために歯を削って、そこがまた歯ぎしりで取れたり欠けたりしたら、どんどん進行していってしまいますよね。

歯の素材はお茶碗の様な素材で出来ています。お茶碗、とても丈夫な素材で出来ていますが、落としたら割れてしまいますよね。お茶碗同士をぶつけたらどうでしょう?強い力でぶつかったら、やっぱり割れてしまうと思います。お茶碗を当ててこすり合わせると、「かちゃかちゃ」と音がしますよね。これを毎日、何年も繰り返したら、どうでしょう。やっぱり割れてしまいそうですよね。じゃあお茶碗を下に置いてのっかってみたら、やっぱり割れてしまいそうです。恐いので絶対にやらないでくださいね。

私達の歯は、6歳頃から生え変わりを始めて12~15歳の頃に歯並びを完成します。そこから、生え変わる事がありません。この歯は、ずーっと使う事になります。その歯に歯ぎしりがあるとしたら、食いしばりがあるとしたら、歯が割れてしまいそうじゃないですか?しかも治療をしている歯は元々傷や欠けがあるお茶碗と同じかもしれません。もっと割れやすそうですよね。そして、歯ぎしりが毎日繰り返されるとしたら、怖いと思いませんか?

歯医者は詰め物をしたり被せ物をしたり、入れ歯を入れたり時にインプラントを使ったりします。
物を入れるためにはその為のスペースと基礎が必要です。
歯は歯と噛みあっているので、そのスペースの為に歯を削る事があります。物自体の強度の為もありますし、製作する都合上必須になる厚みも存在します。変形や破損を避けるためです。でも、むし歯でもないのに削るのってもったいないですよね。加えて言うのであれば、歯ぎしりのある歯はかなり使い込んだ状態になっています。目に見える亀裂、見えない亀裂がたくさん入っています。そこを削って、詰め物をする様になります。どうも、あんまり具合が良くなさそうではありませんか?しかも、詰め物も被せ物も基本的には接着面積をとても大切にします。歯の高さが減ると接着する面積も減るので、自然と外れやすくなってしまいます。外れると、また歯ぎしりで削れて行ってしまいます…。

歯も耐え切れずに折れてしまったり、外れてしまったり、とにかく不具合が起きやすいのが歯ぎしり何です。なので、歯医者は「マウスピースを」と話すんですね。
現代社会はストレス社会とも言われます。コロナ禍で家での仕事も増え、間食が問題になる事もしばしば。むし歯+酸性飲料+歯ぎしり
一番恐るべき状態かもしれません。歯ぎしりは分からないけど、日中噛んでるかも。そんな方、歯と歯を離すようにするだけでも違います。ちょっと気にしてみてください!

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