はつおい歯科室 べいちょうです。
記事を書いていこう!続編です。

質問:むし歯は、自然に治ったりする・・・?
回答:残念ながら、基本的には治りません。特に「歯に穴が開いてしまった」「黒く見える」といった状態まで進行したむし歯は、決して元通りにはなりません。基本的には進行していく一方の病気ですので、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
ただし、本当に初期の「歯の表面が白濁している」という状態であれば、適切なフッ素やカルシウムの活用、そして特殊な予防処置によって回復(再石灰化)が見込める場合もあります。 しかし「自己判断は危険」です。進行の速いむし歯でも、表面だけが白く見えているケースが多々あります。少しでも違和感があれば、やはり一度プロの目で診てもらいましょう。

質問:むし歯予防のために、おやつは禁止ですよね?
回答:これは、何とも答えにくい質問ですね!!「絶対に食べてはダメ!」と禁止されると、余計に食べたくなるのが人間の心理というものです。そして、私は甘いものが大好きです…。
ただ!これだけは守ってください。「だらだら食べ」はやめましょう。 時間をかけてゆっくり食べる事で、むし歯は圧倒的に進行しやすくなります。砂糖が継続的に供給される環境は、むし歯菌にとってのボーナスタイムです。「よっしゃ!ゆっくり長く、たくさん歯を溶かせるぜ!!」と菌が元気になってしまいます。「甘いものは時間を決めてサッと食べる」「食べた後にはすぐにお口をゆすぐ、またはお茶や水を飲む」「歯に長くへばりつくチョコとグミは特に気を付ける!!」 これを意識するだけでも、お口の環境は大きく変わります。

質問:スポーツドリンクや野菜ジュースは甘くても大丈夫ですよね!
回答:残念ながら、むし歯予防の観点から言うと危険です。特にお子さんに「暑い日の水分補給だから」「普段野菜を食べないから」と、良かれと思って飲ませてあげる親御さんは少なくありません。 しかし、一般的なスポーツドリンク500mlには角砂糖8~9個分、野菜ジュース200mlには角砂糖3~5個分もの糖分が含まれています。また市販の飲料は、品質保持のためにpH(酸性度)が低く設定されています。概ねpH4程度と言われており、これは歯を溶かすには十分すぎるほどの強い酸性です。
もちろん、真夏の炎天下や発熱時など、命に関わる「熱中症対策」が最優先されるべき場面はあります。しかし、あくまで「日常的な水分補給」や「むし歯予防」について言えば、このような厳しい回答になってしまいます。
小話をひとつ。私が勤務医だった頃の事です。ご自身での通院やケアが難しく、お母様が付きっ切りでサポートされていたある男性の患者さんでした。 私よりも年上の患者さんと、彼のお母様。お母様は、彼が小さな頃から歯には人一倍気をつかっていました。「甘いものは食べさせない」「毎日の歯磨きを頑張る」と、本当に一生懸命にお口の健康を守ってくださっていました。
しかしある日、彼は突然、お口の中に大量のむし歯を作って来院されました。
お母様はうつむきながら、「はじめて、スポーツドリンクをあげてしまったんです…」と。 日常の習慣(こだわり)を変えるのが難しい特性を持っていた彼。その日を境に、甘いスポーツドリンクしか飲まなくなったそうです。「無いとパニックを起こすから…」と。
「たまにはちょっと、美味しいものを」 「喜ばせてあげよう」
そんな優しい気持ちのひとしずくが、結果的に全部の歯にむし歯をつくってしまいました。
ある動物実験のニュースで、「砂糖には強い依存性がある」と話題になったこともあります。私たちは現代社会において、非常に手軽にこの「砂糖」を手にすることができます。だからこそ、その付き合い方を今一度見直さなくてはいけないのかもしれません。
……なんだか、むし歯など歯科の真面目な話題を書くと、最後はいつも怖い話になってしまいますね。脅かしてしまってすみません!でも、それだけお口の健康は毎日の習慣と隣り合わせだという事です。

