市販の歯磨き粉でお薦めは?

市販の歯磨き粉でお薦めは?

2023年6月6日

はつおい歯科室 べいちょうです!

衛生士さんに「患者さんから聞かれて答えるのに困った質問ないかな?」と聞いてみました。
それが「市販の歯磨き粉でお薦めは?」でした。
歯ブラシも歯磨き粉も、無限にありますよね。

コンピにやスーパー、ホームセンターも歯ブラシや歯磨き粉といったオーラルケア商品は大量に売っています。しかも書いてあることはだいたい同じで、どれくらい効くのかよく分からないし。
だいたいが、見た目や値段だったりCMで見たという知名度だったりで買う事が殆どですよね。

私がお薦めするのは…当院で売っている物ですね(笑)
配合された薬剤の種類と効果、それぞれの濃度などもあり、また味の好き嫌いもありますよね。
けど、配合はされていても効果が無かったり、打ち消し合ってしまう様なものも実は。
そこで、「市販の歯磨き粉」となると…。

①虫歯予防の場合
②歯周病予防の場合
③着色汚れが気になる場合
④しみるのを治したい場合
○私はどうしているのか○

そんな観点から書かせていただきます。
豆知識も書いていきますので、どうぞ!!

虫歯予防の場合
むし歯の予防には何よりフッ素です。歯にフッ素が吸収されると、『フルオロアパタイト』というむし歯に強い結晶が作られます。正に「歯を強くする」のがフッ素です。
カルシウムもむし歯の回復に役立ちます。歯がむし歯になると、歯からカルシウムが出て行ってしまいます。しかし、またカルシウムがやってくると、再び歯に吸収されて『再石灰化』が起こります。
初期の虫歯は歯が白くなりますが、カルシウムはそれを元に戻してくれます。
※注意事項があります!※
フッ素もカルシウムも、濃度が低いと効果がありません!!濃度は ppm で表記されています。
高濃度」と書かれている物を選びましょう。
ジェルタイプであることも重要です。フッ素やカルシウムは触れただけでは歯に取り込まれません。
時間が必要になるので、ジェルタイプで歯の表面に残ってくれる必要があります。
フッ素は飲み込んでしまうと体に悪い影響が出る事があります。お子様にはカルシウムの歯磨き粉が安心です。

歯周病予防の場合
歯周病予防にはIPMPCPCという成分が効果的に細菌数を減らしてくれます。細菌数が減ると歯周病にも効果がありますが、口臭にも効果的です。口臭予防には歯周病治療での細菌数減少も効果的なんです。
またジェルタイプである事も大切です。せっかくの良い成分も歯磨きの後に流されてしまっては無意味。
しばらくの間、配合された薬剤が停滞してくれるのがジェルタイプの強みです。
逆に泡立つものは非推奨です。歯磨き粉を使った歯磨きの後はゆすがない方が良い事を知っていますか?
ジェルと同じ理由で、効果を持続させるためです。泡立つものは口をゆすぐ回数や泡を吐き出す回数が増えて薬剤が流れて行ってしまいます。薬剤には 有効濃度 があります。薄まってしまうと効果が見込めなくなってしまうんです。

着色汚れが気になる場合
ステイン除去と銘打ったものやホワイトニング、と書いてあるものがたくさんあります。が、基本的に歯科医院で薦められたものが良いと思っています。なぜなら・・・。ステイン除去には「研磨剤」というものが入っています。強く吸着した汚れをやすりで落とすようなイメージです。しかし、ステインは全面に均等につくわけではありません。そして、歯を削らないでステインだけ落とせる、という物は少ないんです。歯科医院で取り扱っている物はエナメル質よりも柔らかくステインを取れる程度の硬さの研磨剤が使われているものを選んでいる(とは思います)ので、聞いてみてください。
※市販の歯磨き粉で研磨剤が入っていて、電動歯ブラシを使っていると、とても危険です。注意しましょう。
ステインが気にならない場合は「研磨剤無配合」を推奨したいです。(歯がみるみる減っていくんです…)

しみるのを治したい場合
しみてしまう場合には「知覚過敏」と書いてあるものを使ってみてください。変な書き方ですが、実は歯磨き粉によって作用機序(効く仕組み)が違っているので、どれが効果的か正直微妙なところなんです。しかも知覚過敏は実は時間的にも解決する場合があるので、そうすると、何が良かったのか判断のしにくいところになります。痛みへの対処として歯磨き粉を使うのが有効ですが、歯科医院でその原因が何かを見てもらう事をお勧めします。しみるのは正常な状態ではないので、むし歯の可能性や歯が欠けたり削れたりしている可能性、噛み合わせによるもの、歯周病によるもの、原因が異なりますし対処も異なってきます。
あまり行きたくないとは思いますが、はやめに見せてもらえると私が安心します。

私はどうしているか
「どうせ売ってるのを薦めるんでしょ」と思われる方もいるかと思いますが…その通りです!
なぜなら自分でずっと使っているからです。私の場合は歯磨き粉を一つだけ使う事があまりありません。
常にだいたい4種類くらい使っています。
一番使うのは『SP-T』です。歯周病予防と虫歯予防に効果的で、学生時代からの愛用品です。
ステインがついて来たかも、と思ったら『ruscello white』を使います。こちらは研磨剤が配合されていますが、歯よりも柔らかいので削れる心配がありません。また、ステインを浮かせて取る事をコンセプトにしているので、色の違いを感じやすいです。
知覚過敏がある時は『TOTAL CARE』です。歯周病予防・虫歯予防にも効果的で知覚過敏への効果も期待できます。こちらは比較的新しい商品で、私も今年から使い始めました。困ったらこれ、という商品で、値段も他に比べると安価に設定されています。

ここまで書いてきてアレなんですけど、本来は歯磨き粉っていらないのご存知でしたか?
しっかりと磨けて、日に3度や4度磨く習慣があれば、実は歯磨き粉は不要とも言われています。
けど、しっかり磨ける自信があまりないので、私も歯磨き粉を使っています。

× 歯磨き粉を使わない場合 ×
外出先で、歯ブラシ忘れた!という時ありますよね。コンビニで歯ブラシを買ったりします。そうすると歯磨き粉がついてきますよね。あれ、中身が何だか分からないので使わないようにしています。歯磨き粉の中に環境ホルモンが入っていて魚が不妊症になった、という話を聞いたことがありまして。恐ろしいじゃないですか。ホテルにも歯ブラシがありますが、歯みがき粉は使わないです。同じ理由ですね。
別の記事『歯磨き粉に危険成分?』も併せてお読みください!

歯磨き粉もどうせ使うなら良いものを、そうでなければ不要かも?
効果のある成分なのか?濃度は有効なのか?そもそも体に大丈夫?
そんな記事でした。長い記事でしたが読んでいただいてありがとうございます。
絵が描けたら何か入れたいけど、ね。 ありがとうございました!!

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