「試験」への苦手感は大人になっても変わらずに

「試験」への苦手感は大人になっても変わらずに

はつおい歯科室 べいちょうです。

未達と未完がもたらすものは、という事で。

浜松歯科衛生士専門学校で授業を始めて、もう少しでその集大成である試験がやってきます。この記事が公開された頃には、もう無事に完了していると思われます。みんな100点だったら嬉しいです。

現実逃避癖と、勉強に向き合えた理由

私は昔から、現実に向き合うのが下手で。 ……とかっこよく書いていますが、要するに「現実逃避癖があって、現実から目を背けがち」な人間です。思えば学生の頃も、宿題や試験という言葉から逃げに逃げて、低空飛行を得意としていました。歯学部に入ってからはなぜか勉強が楽しくて、しっかりと高度を取り戻しましたので、そこは一つご安心いただきたいところです。

私も中高生の頃は、先の事がうまく想像できませんでした。 一方で、歯学部に入ると「歯科医師になった自分」をリアルに想像して努力が出来たので、勉強が楽しかったのだと思います。「こんな事覚えても将来使わないじゃん……」から、「患者さんに説明する為に覚えよう」と、勉強する動機が明確にできた、ただそれだけのことなのだと思います。

歯学部時代も周囲には、将来の姿がうまく想像できずに勉強の意義が見つからない学生もいて、10年前後歯学部へ通う人もいました。私も法学部を出てから歯学部へ行きましたので、通学年数という面では変わらないものがあり、どこか勝手に親近感を抱いていましたが。

モチベーションという言葉はあまり好きではないのですが、その効果は絶大なものだと感じます。苦手と思うか得意と思うか、それだけで結果はずいぶんと違うものです。

なかでも私が教える「口腔生理学」なんて、もしかしたら99%の学生が「苦手かも……」と感じる科目ではないかと思います。 ちなみに私は残りの1%派閥で、生理学が大好きでした。でもこれは私の資質というよりは、当時教えてくださった大学の先生の事が好きでしたし、とても分かりやすく教えてくださっていたからです。学生思いの努力が講義を通じて伝わってくるような、温かい講義でした(もちろん他の先生方もそうでしたけれどね)。

1年生の知識が、国家試験の礎になる

そんな過去を振り返って、1年生に教える口腔生理学が、卒業して現場に出てからも礎になるような知識である事は間違いありません。 それを実感できるような講義を目指して……と思って取り組んだのですが、この分野はとにかく範囲が広いのです。しかも私自身が好きだからかもしれませんが、「これも知っていてほしい、あれも知っていてほしい」と、全部伝えたくなってしまうんですよね。講義をする側の大変さを痛感しました。

しかも、1年生で学んだ内容は2年生ではほとんど触れられず、3年生の12月頃、振り返りの講義でお会いするまで約2年間も間が空きます。 おまけに国家試験では、ちゃんと理解して覚えていないと解けないような骨のある問題が出題されます。歯科衛生士さんになるって、本当にすごい事なのです。

頭の片隅にこびりつく「未完了のタスク」

「どうやって教えたらいいのかな」と考えつつ、その科目の本試験を作らなくてはいけなくて、同じ時期に合わせて卒業試験の出題も依頼されていました。

試験を受けるのも嫌なものでしたが、いざ作る側になってみると、これもまた本当に骨が折れますね。ただ作ればいいというものでもありませんし、国家試験の傾向や先達の先生方が出されていた過去問も無視できません。

と、そんな事を7月上旬からずっと考え続け、期限を意識しながら9月になってようやく完了させることができました。(期限はちゃんと守りましたよ!)

ずっと頭の中で「作らなくちゃな」「どんな問題にしようかな」「どんな勉強をしてもらおうかな」「どうしたら勉強しようと思って貰えるかな」と考えている……という体裁をとりながら、机に向かうのを先延ばしにしてしまっていました。昔の悪い癖が出た様です。試験からの逃避ですね。 しかし、手を動かしていない間もずっと頭の端にこびりついていて、仕事をしている時にも出かけている時にも、「あれ、試験問題、早く形にしなきゃな」と頭をよぎり続けます。

さっさと集中して作れば良かったんですよね。「四の五の言うな」というやつです。

未達成や未完成の事柄は、頭の片隅にずっと残り続けて、無意識に脳のメモリ(能力)を割いてしまうそうです。私たち人間の脳は計り知れないほど高次元でたくさんの事を詰め込めますが、その負荷を追い出すには、「達成」や「完了」というゴールのシグナルが必要なのだそうです。

それがなく未完了が積み重なると……良い事はなさそうです。

私たちの脳には、大人になるにつれて色々なブレーキがかかるようです。 大人になると「出来ない事」が増える気がしますよね。でも実際は、できる能力が増える一方で、自分で勝手に「できない」と決めてしまう事が増えている、と言う方が合っているのかもしれません。

自分自身でかけてしまっている制約は、思いのほか大きそうです。 「やるべき仕事は後回しにしない」という、自戒の念を込めて。

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