はつおい歯科室 べいちょうです。
はつおい歯科室 べいちょうです。
デジタル技術の進歩・発展は目まぐるしいですね。 本当に目が回るような速さで次から次へと、世界が変わっていきます。
💡 歯科医療を変えるデジタル技術
歯科のデジタル分野で言えば、CAD/CAM技術の応用がその最たるものです。 むし歯の詰め物を製作する際、写真を撮るようにデータを取得してパソコン上で設計し、機械にセットするだけで削り出しが完了する夢のような技術です。 (※実際には、歯科技工士さんによる丁寧な設計と、削り出し後の修正・研磨が必須です)
もう一つ、レントゲン技術もデジタル処理で格段に向上しました。その代表がCTです。 色々な角度から輪切りの画像を抽出したり、抜歯の際に骨の中の親知らずを再現して模型にしたり。インプラント治療で必要な骨の厚み、深さ、神経との距離など、「見えない部分が見えて、触れる」という凄まじい技術です。
最近では3Dプリント技術も応用され、かぶせ物や入れ歯までデジタルでの製作が進んでいます。
⚠️ 「どこまでついて行くのか」という問題
そこで直面するのが、「どこまでついて行くのか?」という問題です。 少なくとも日本の歯科医療において大きなハードルとなるのが、保険診療の仕組みです。
数百万円する機械を買っても、それが保険診療の枠組みで使えなければ、経営的にはただの飾りになってしまいます。かといって、自費専門の歯科医院にさえなれば良いというわけではありません。
保険診療医は、一日に数十人の患者さんを診察・診療します。 それだけの症例を抱えるということは、やはり知識と技術はおのずと向上するものです。向上に向けた意識は必要不可欠ですが。
一方でデジタル技術は、「あったら良いが、無くてもできる(これまでやってきた)」という代替技術の側面もあります。「無いから困るというものでもない」というのが、日本の保険医療の現実的な一面かもしれません。
🔄 変化し続ける制度と現場の苦悩
変化は技術だけではありません。 BLS(一次救命処置)の講習でもそうですが、検査の基準値が変更されたり、優先順位が変わったりと、常にアップデートが起きています。
また、6月には保険制度の改定がありますが、使える材料や場所が大きく変化します。これは金属高騰に対する妥協的な側面と、材料技術の向上によって強度が上がったことの両面があります。
行政的な変化も激しいですね。歯科におけるマイナンバーカードの使用に関する変化などは、私でもついて行くのが大変なほどです。
⚖️ 私たちが日々できることは
円安や物価高騰、賃金上昇への対応も考えなくてはならない中で、歯科医院はどれだけ付加価値をつけようとしても、それを価格に転嫁することはできません。保険診療の報酬は全国一律だからです。
私たちは技術を超えて知識を入れていかなくてはいけない立場ですが、莫大な情報と行政的に必要な手続きに追われ続けているような感覚もあります。デジタル技術の進歩で色々なことが簡素化するのかと思いきや、一概にそうではないのが保険制度の難しいところですね。
一方で、海外であれば数万、数十万円が必要な治療費が、日本では数百円から数千円で済むということが、なんとありがたいことか。
医療人でもあり、一国民でもある私たちが日々できることは何か。 そう考えると、目の前の課題に対して地道に真剣に真摯に、一歩一歩進む以外に、道はなさそうですね。


