好奇心とAI、そしてインプラント研修。情報に溢れる時代で「本質」を見失わないために

はつおい歯科室 べいちょうです。

好奇心って、なんだか厄介なものですよね。 私はたぶん好奇心が強い方で、何にでも興味や関心を持ってしまいます。しかし一方で臆病なところもあるので、実際にそこへ飛び込んでいく数は少なくて、自分の欠点だなぁと思っています。

便利なAIと、失われがちな「調べる」工程

現代は便利なもので、AIが私のそんな好奇心を大いに助けてくれます。「あれは何?」「これは何?」と子どもの様に尋ねても、快く瞬時に回答してくれます。 子どもは簡単にあれは何?なんで?と尋ねられますが、大人になると人に聞くのも気恥ずかしく、もじもじしているうちに次の何かがやってきて、疑問すら忘れてしまいますよね。

本当に便利になったものですが、それが正解かどうかを自分で調べる工程を忘れがちになるのは怖いところです。 昔は検索ウィンドウに色々な言葉を入れて、色々なサイトを見比べて「書いてある事が違うじゃん」と自分の頭で判断する経験ができましたが、日常のちょっとした疑問だと、AIの断定的な返答につい促されて、その確認工程を飛ばしがちです。

私もAIをしょっちゅう使っているので決して批判ではないのですが、AIの使用には大量の電力消費も伴ってきます。 私がここ浜松で「これは何?」と入力すると、世界のどこかへその情報が飛ばされて、その先のデータセンターで大量の電気を消費して、分かりやすい文章を作成してくれます。エコだSDGsだと言いつつ、そうした見えない環境への負担を見て見ぬふりをしてAIを駆使するのも、現代の文明人のエゴなのかもしれませんね。

1冊1万円。それでも専門書を買ってしまう理由

気になるとついつい手を伸ばしてしまいたくなるのは、学生の頃からの性分です。 しかし、歯科の専門書は非常に高くて、学生の頃には気軽に買う事なんて考えられず、よく図書館へ通ったりしていたものです。大人になった今は図書館に行く機会もめっきり減ってしまい、結果的に「買う」という話になります。

出入りの歯科商材屋さんも、私が色々と“欲しがる”人間だと知ってか知らずか、定期的に色々な専門書をお勧めしてくれます。私も「今回は断らなくては……」という思いとは裏腹に、つい「買います」と答えてしまっています。

歯科の専門書は本当に高くて、大体1冊10,000円前後します。 すごく高い出費ですが、「でも、遠方へ研修に行くとなるともっと高いから」と自分を必死に納得させて、夜な夜な本の文字を追っています。この好奇心が衰えてしまったら医療従事者としてよろしくありませんが、好奇心が絶賛活躍中の今も、それはそれで難儀だなぁと苦笑いする日々です。

インプラント研修で再確認した「大学の恩師」の教え

先日、そんな旺盛な好奇心も手伝って、インプラントに関する講習を受けてきました。

はつおい歯科室ではインプラントの埋入治療を行っていませんが、他院で治療を受けてインプラントを使われている患者さんは多数いらっしゃいます。将来的な保険導入の噂などもあり、当院でも本格的に準備を進めるべきなのかどうかと悩む日々でした。実は今回、ある患者さんの治療でインプラントをした方が良いかどうか、真剣に考えての受講でもありました。

しかし、講習を受けて再確認したのは、「やはり当院の『今ある歯と健康を活かす・守る』という診療スタイルには、今のところインプラントは少し合わないかもしれない」という私自身のスタンスでした。元々は、導入する方向で検討するために受けに行ったはずなのですが。

今回習った事は、根本を辿れば大学で学んだことと同じでした。自分の大学の先生方には感謝し通しです。 お金を払って色々な所へ勉強に行きますが、最終的に「あれ?要するに大学のあの先生が言っていた通りだな」と帰結する事がよくあります。本質をしっかりと教えていただいていたんだなと、深く頷くばかりです。

情報をフラットに見極め、目の前の人のために

大学で何かを習う際には、メリットとデメリットを明確に列挙して、それぞれがなぜそうなのかという関係性までしっかりと習うため、非常にフェアです。 一方で、世の中の新しい技術の講習会にはスポンサー企業がついていることも少なくありません。そこへ新しい技術への期待だけで飛び込んでしまうと、フラットな視点や本質を見失ってしまいそうになる事もあります。

好奇心に誘われて色々な情報に触れる中で、本質を見失わずにいられるのは、やっぱり「当院の患者さんや従業員の顔がリアルに浮かぶから」に他なりません。 経営のセミナーなどにも行きますが、数字上の成功や経営者の笑顔の裏で、従業員が疲弊してしまうようなやり方には、やはり違和感を覚えてしまいます。これからも好奇心に誘われて色々な席に座るのだと思いますが、本質だけは見失わない様にしなくてはいけませんね。

先日、飲食店経営のYouTubeを見ていて、こんな言葉を聞きました。
「空席を嘆く店はつぶれる 来てくれたお客さんの笑顔を考えるお店には笑顔が増える」

うまく言葉には出来ませんが、確かにそうだなと深く共感しました。 その人の為に出来る事を増やしたり、質を高めたり。これからも、そんな誠実な仕事が出来たら良いなと思っています。

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