片頭痛は噛み合わせで起こる?

片頭痛は噛み合わせで起こる?

2023年5月30日

はつおい歯科室 べいちょうです。

「偏頭痛持ち」って聞いたことありませんか?
こめかみのあたりに痛みが出る、嫌な奴なんです。
片頭痛に悩まされている人は意外と多くて、片頭痛の疑いがある方を含めると『年間有病率は8.4%』だそうです。(日本神経学会~片頭痛~)

片頭痛と噛み合わせが関係しているかもしれないって、知ってましたか?

実は私も偏頭痛もちです。低気圧で痛くなる、ということもあったりして悪天候の日は痛みが出たりします。私の場合は“閃輝暗点”という症状が先行する事が多いので、痛む前に痛み止めを飲んで回避したりすることがあります。閃輝暗点がないと、また痛み止めを飲むタイミングを逃すと、本当に痛くて、気持ち悪くなります。光、音、においで痛みが出る感覚過敏もでるので、仕事中に出ると本当につらいです。(歯科医師は診療中に目を凝らすし削る音やにおいも診療のヒントになっているんですよ!)

そんな片頭痛ですが、噛み合わせも関係しているのでは、と言われています。
私は歯科医師の癖に顎関節症もあり、片頭痛もあります。
私の考えですが、片頭痛と噛み合わせの痛みは全く違うのでは?と思っています。
しかし、噛み合わせの治療をして「偏頭痛が治った」と言われることもあります。
どこかで混同されているのかもしれないな、と思い今回の記事を書いてみています。


“噛み合わせ”は上顎の歯と下顎の歯で行われる行動で、噛む位置は歯によって決められます。
顎は関節で上下の骨が繋がっていて、これが、“顎関節”です。
通常、体が動く範囲は関節とその周りの筋組織に規制されています。歯はそれぞれの凹凸によって安定する位置が決められます。噛むために、関節や筋肉が無理をしてしまう事がある、という事です。
“顎関節症”は比較的よく耳にする言葉かと思います。この顎関節で生じる諸症状が“顎関節症”です。

さて、私たちは普段こんな風な骨格をしています。

正常咬合でドヤ顔の模型

顎関節は左右にあり、左右が協調して動くことで上下・左右・前後に動かします。

横顔もばっちりな模型

一方で、前歯のかみ合わせが、歯並びの都合で反対になってしまう方がいます。
そうすると、顎関節は緊張した状態が続きます。

反対咬合の場合

また骨格的に噛み合わせが左右でずれてしまう方も、やはり顎関節は緊張した状態が続きます。

噛み合わせのズレを補おうとする顎関節
関節の位置が違うのが分かるでしょうか?

さて、顎は筋肉によって上顎につり下がっています

顎関節と咀嚼筋

(フリー素材『illust AC』さんから、PRiCOさんの画像をダウンロードさせていただきました。)
顎の位置がずれていると、周囲の筋肉にも緊張が続くことになります。
無理な姿勢を続けると腰や首などの大きな筋肉も傷めますよね。
筋肉が常態的に引き延ばされていると、筋肉の繊維が壊れて痛みを出します。
この時の痛みが顎の周りであったり、こめかみのあたりでも生じます。

筋肉痛の位置がこめかみで、重い様なだるい様な痛みが出ている場合に、片頭痛と混同されてしまう事があるようです。
片頭痛と噛み合わせが関係している?と書きましたが、実際には片頭痛と思われている痛みが顎関節症による痛みの可能性がある、という事ですね。

ちなみに、夜間の歯ぎしりがある場合にも同様の痛みやハリ、コワバリが出る事があります。これは夜間の歯ぎしりでウェイトトレーニングされた“咀嚼筋”の筋肉痛やパンプアップの状態にあります。やっぱり歯ぎしりは怖いですね。(記事『歯ぎしり 〜最恐習慣〜』も読んでみてください!)

「口を開けると音がする」
「顎が痛い」
「噛み合わせがズレた気がする」
そんな場合は放置せずに見せて頂いた方が安心です。噛み合わせがズレるとそれに合わせて噛み合わせが変化していきます。顎の痛みで顎関節の骨が削れて噛み合わせる事ができなくなる事も。痛みは何かしら不調のサインです。見逃さず、やり過ごさない方が、安心ですよ。

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