日に焼けると体が怠くなる

日に焼けると体が怠くなる

2023年7月18日

はつおい歯科室 べいちょうです。

日に焼けると体がだるくなりませんか?
沢山遊んだあと、筋トレをした後にも、同じようなだるさが翌日なんかにやってきます。
これって、体が新しい体を作ろうとしてるんですよね。

変な書き方ですが、体はよく動かされると一部を破壊して新しい丈夫な細胞に置き換えてくれます。
筋トレの後の筋肉痛は、筋繊維が壊れて、それを体が更に壊して、新しい、強い筋肉が作られます。
敢えて破壊することで新陳代謝しんちんたいしゃが促されて、より強くなるイメージです。

日に焼けると、皮膚が日差しでダメージを受けます。
体はダメージを受けた細胞を破壊して新しい細胞を作ってくれます。
一方で体の内部へのダメージを防ごうと、メラニン色素を産生して肌を黒くしてくれます。

体の怠さは、体が引き起こす新陳代謝によって、細胞が壊されたときに生じる炎症ホルモンが関係してきます。
PGE2(プロスタグランジンE2)は細胞が破壊されることで現れるホルモンで、炎症ホルモンの一つです。
具体的には、痛みを出し、発熱させ、筋肉を収縮させて、一方で血管を拡張させます。

実は海の日にプールに行ってきました。すごい日差しで、プールの中にいても肌がヒリヒリとしました。
プールでは日焼け止めは濡れないので、やかれる~、と思いながら受け入れるしかありませんでした。
そして、これを書いている今日、体がだるいです。これがPGE2のやりかたかぁ!という所で。

で、何を言いたいのかというと、歯周病でもPGE2が産生されます!

笑顔は歯磨きから!
歯磨き

歯周病では歯肉と呼ばれる歯の周囲の組織で炎症が起こります。
この炎症の原因の一つがPGE2なわけです。

順を追って説明してみます。

口の中に汚れと細菌が溜まります。これが掃除されないと増殖していきます。
中でも歯周病原菌は酸素を嫌って歯周ポケットで生活を始めます。
細菌が増殖するとLPSと呼ばれる毒素によって歯周組織を傷つけてしまいます。
歯周組織が傷つくと、体は傷ついた細胞を自ら破壊して新しい細胞を作ろうとします。
そこで現れるのがPGE2です。
歯周病が部分的に限られた範囲で、持続しなければ、体が修復してくれて完了です。
が、これが慢性的に続くことでPGE2が持続的に産生されていきます。
炎症には5大兆候と言われる所見が見られます。それが、腫脹・疼痛・発赤・発熱・機能障害です。
上に書いたように、PGE2は、痛みを感じさせ、血管を広げ、筋肉を収縮させて、熱を作り出します。
PGE2は炎症の5大兆候を作っていそうですね!!

このように、細菌感染、細胞破壊、PGE2産生が繰り返されることで炎症が拡大していくようです。
歯周病ではこれが慢性的に繰り返されることになるので、PGE2が持続的に産生されることになります。

〇 PGE2の何がいけないのか
それ自体は炎症を引き起こすホルモンです。炎症は体にとっては防御反応で、体を守るために備わった自動防御システムです。
一方で、強い感染ではシステムが過剰反応して、強い痛み、大きな腫れ、発熱と筋収縮を引き起こします。
歯が痛くなると口が開かなくなったりするのは、PGE2の過剰産生による、強い筋収縮のせいです。
口を開ける筋肉は実は小さいので、閉める筋肉が強く作用すると、口を開かなくしてしまいます。
また全身にPGE2が回ってしまうと極度に体が怠く、動けないような状態も引き起こします。
また、熱が上がりすぎてしまうとたんぱく質が破壊されて細胞が死滅してしまうのは、皆さんご存知の通りかと思います。
体は自動応答でこの反応を引き起こすので、強い感染では反応が強すぎて体を破壊してしまう事が起きるんです。

妊娠中には歯科の妊産婦検診があります。
これは、歯周病と早産の関係、産前後の口腔環境悪化を防ごうというものです。
PGE2が早産を引き起こすことが知られています。

感染と炎症の怖さを感じたのは研修医の時でした。
二十歳前後の女性が来院されました。強い痛みで、原因はむし歯による炎症が顎の骨周囲まで広がってしまった「蜂窩織炎」でした。40℃を超える熱があり、即入院でした。彼女はみるみる悪化して、歩けなくなってしまい、車椅子に座って検査を受けていました。入院後の検査では、検査着を着せられていましたが、検査着が肌けてしまっても自分で直すことが出来ず、返事をすることも出来ていませんでした。点滴で抗生剤を投与して翌日の緊急手術が決まりました。
二十歳前後の女性が、男性の歯科医師や研修医が見ている中で、殆ど裸の状態になってしまっても服を治す事も出来ず、返事も出来ず、動くことも出来ず、というのは衝撃でした。
手術後は回復されていて安心しましたが、感染症は命に関わるんだ、と怖ろしさを刻まれる体験でした。

痛みがあったり、出血したり、腫れたり、そんな時は躊躇せずに受診していただきたいと思います。
万が一も起こりうる状態です。
緊急時の対応は可能な範囲で行えますので、公式LINEからでもご連絡いただければと思います。

むし歯も歯周病も、実は怖い病気です。
はやめの受診を、お願いいたします。

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