歯科コンサルと経営の「成功」。私の軸と、楽しく働くということ

歯科コンサルと経営の「成功」。私の軸と、楽しく働くということ

はつおい歯科室 べいちょうです。

院長になると、何かこう、「斯く在るべし」みたいなナニカを感じる時があります。 私が歯科医師として育った環境が特にそれが強かったと言いますか、もちろん正解はないものと思いますが。

歯科医院の院長たちと「コンサル」

歯科医院の院長が大好きな職種がありまして、それが「コンサル」です。

私は人に相談すること自体が非常に苦手なもので、コンサルテーションやカウンセリングと言った類のものの有用性を、未だに深く理解できずにいます。 とは言いつつも、そういった会社の説明会の様なものには、幾つも何か所も脚を運んだ経験はありますが、一度も納得がいっていません。「それなのに何でそんなのに行くんだ」という話がありますが、知識として必要な物を持っていない自覚はあるものですから、何かしら情報は仕入れたい。けれど…というお話です。

YouTubeで有名な方々もコンサル業を他業種にわたってされているそうですが、そちらには一度も手を伸ばしたことがありません。 しかし、一般的にコンサル業は大変に需要がある様で、私の知人もまだ20代後半ですが独立してコンサルを始めて、2年目には既に大きな成果を出していると聞きました。それだけ、社会には相談相手を求める孤独な人が溢れているという印象を受けてしまいました。

話を歯科医院のコンサルに戻しますと、歯科医院の院長というのは大変に孤独で、重圧を抱えている人が多いような印象です。そして歯科コンサルの方も、一癖も二癖もある人ばかりです。 美辞麗句でもって事実を捻じ曲げつつ、「院長は正しいです!」とお伝えする職業の様に感じている部分もあります。もちろん、私が出会った人がそうだった、という注釈は必要ですが。

ごく一部のパワフルな人が、「こっちが正しい!」と院長を導く力を持っていますが、それはそれで その人の言うことが本当に正しいかどうか が肝になってきます。やっぱり、院長自身が経営の軸を持っているかどうかという話になっていくのでしょう。

友人が今年の初旬に開業して、やはりコンサルを入れているそうです。別の、一昨年に開業した友人も、コンサルを複数入れていると聞きました。 私も開業時には「開業コンサル」という形でお願いして、それはもう本当にお世話になって感謝しきりですが、その後の経営のコンサルは全てお断りしてしまいました。

ホームページ業者さんも、開設と運営のコンサルがセットになっている事が多いと感じます。もしこのホームページに熱心なコンサルがついていたら、もう怒られて仕方ないでしょうね。私のブログは歯科的な専門知識が少ないのでウェブ対策としてはマイナスの可能性もありますから、「全部消してください」くらい言われてしまうかもしれません(笑)。

売上2倍や多角化が、本当に「成功」なのか

歯科の経営に関するコンサルや講習会に参加したりすると、なんだか焦点がぼやける様な感想を持つことがあります。自分の経営軸がズレていくような。世間を知って理解してズレるのであれば、それは成長なのかもしれないのですが、私のやりたい事と世間で言う「成功」とは、ずいぶんと違う様なのです。

「〇〇で売上2倍!成功医院の事例から学ぶ!」みたいな案内をよく見かけます。果たして、売上2倍がそのまま「成功医院」を意味するのでしょうか。 うちの医院であれば、売上を上げる事はある種簡単です。休診日を減らして診療日数を増やせば、それだけで良さそうです。

「年収激増!多角化経営の極意!」みたいな言葉も、年収が増える事だけが本当に「成功」なのか、これも微妙なところです。従業員の年収や経費を削れば簡単に私の年収は上げられるのかもしれませんし、その反対も然りです。多角化経営も、楽しい反面、リスクや負担は目に見えて増えるものです。私がネガティブなだけでしょうか。

いや、実は多角化経営には正直興味があります。色々な事に興味があるので、例えば歯科技工所を設立したいとか、飲食店をやりたいとか、保育園を作りたいとか、駄菓子屋さんを作りたいとか。あとは歌や音楽が出来るスタジオを作りたいとか、やりたいアイデアはたくさん出て来て大変ではあります。が、それをただ拡大してやる事が「成功」かと言うと、やはり疑問が残るのです。

「新築の興奮」と、今の私が感じる幸せ

かつて勤務していた院長が言っていました。「開業すると飽きてくるんだ」と。 それを従業員にこぼした意図は分かりませんが、気持ちはなんとなく分かります。その医院は開業して7年ほどで近所に移転し、倍以上の診療台数を設置して、その拡大するアドレナリンが忘れられなかったのかもしれません。

それで言うと、私も日々の診療を心から楽しんではいるものの、新築的な派手な興奮が無いという実情はあります。今の建物は、祖父母と母が歯科医院をしていた場所で、道具も歴史あるものがたくさん残っています。すべてを自分一人の手で一から買って揃えたわけではない分、執着心が強烈にある訳でもありません。

しかし、小さい医院でスタートして、順調に成長して近所に新築で数倍規模の医院を建設するような時の興奮は、やはり凄いものなのだろうなとは思います。そこに比べると、日常の色々な事がちっぽけに感じてしまう瞬間もあるのかもしれません。

世間の歯科医師先生方の熱量と言いますか、時に一般の感覚からすると凄まじい規模の野心を感じることは、もしかしたらそうしたアドレナリンの記憶が起源なのかもしれませんね。何億円も借金をして「成功してやったぞ!!」と突き進むような。その裏で、不安が拭い切れずにコンサルに相談をして、さらなる迷走のスタートラインを切る様な事もあるのかもしれません。

偏見の塊ですね(笑)。

相談するという事は、もちろん大切なことです。私も人に素直に相談が出来るような人間であれば、このようなブログを書く日々には至っていないのかもしれません。 しかし、私は世間で言う派手な「成功」からは程遠いのかもしれませんが、今、本当に毎日楽しく歯科医師が出来ているなぁとは思うのです。

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